シンガポール漂流生活

シンガポール在住歴12年、日本語教えたり、絵描いたりして、なんとなく生きてます。

シンガポールのチャイナタウンで、靴を修理に出してみた

先日シンガポールで靴を修理に出しました。

たしか6、7年前に札幌の名取川側靴店で買った、薄黄色のニューバランスのスニーカーです。

数年前にネパールで一週間トレッキングをしたときも、それをはいて行きました。

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普通の山道ならまだよかったんですが、大石小石で敷き詰められた砂利の坂道がたくさん有り、そこを上り下りしていましたが、終わってみると靴底が変わり果てた姿になっていました。ショッピングモールとかなら、スイースイーと、スケッチャーズのように滑らかに床を滑ってしまいます。

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もう何年もはいたので、普通なら捨てるところですが、なんせ靴底だけがボロボロなので、捨てるに捨てきれずとっておいていました。

 

時を同じくして、私の腕時計もバンドが切れてしまい、これも直さなきゃと思って閃いたのが、チャイナタウンです。チャイナタウンでよく時計の修理をやっている小さい店を見かけます。

そして、そういえば靴の修理屋もあったなぁと思って、さっそく行ってみることに・・・とはならず、ここから半年も、靴も時計も放置して最近やっと重い腰をあげて行ってきました。

 

シンガポールのチャイナタウンのPepole's Park(ピープルズパーク)の広場には、いつも露天を出して靴を修理しているおじさん、おじいさんたちが数人います。

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いつも通り過ぎる度に、こんなんでちゃんと生活していけるのかなと思っていましたが、改めてみると、いつもそこそこお客さんがいて案外忙しそうです。

ど、れ、に、し、よ、う、か、なと思ったのですが、うちの奥さんが以前ここでスニーカーを修理に出したことがあり、そのときのおじさんは悪くなかったと言うので、そのおじさんを訪ねて行きました。いつも行列のできている麻辣香鍋の斜め前方に陣取っている修理屋さんです。

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なかなかの人気店のようで、すでにお客さんが2人くらいいました。私は中国語が苦手なので奥さんに交渉してもらいます。

すると、今はなかなか忙しいので、2週間くらいかかり、値段は25SGD(2,000円)とのこと。正直言うと、わたしは25ドルと聞いて、最初 たっっか!!と思いました。10ドルくらいだと勝手に思っていたので、そのギャップに勝手に驚いたのですが、これもなにかの縁だと思い承諾し、25ドルを前払いしました。

ぜんぜん高くないわよ、こんなもんよ、とあとから奥さんが言うので、じゃあ自分が出したときはいくらだったの?と聞くと、10ドルだったそうです。

やっぱ俺の たっっか!!

しかしあとで色んな人にこの値段をどう思うか聞いてみたのですが、みんなまぁそれくらいじゃないのと言っていたので、私の値段感覚がずれているのかもしれません。きっとマレーシアの物価のせいでしょう。


 

そして帰り道には時計の修理屋にも寄ってみました。

ここはさきほどとは違う、Chinese Complex(チャイニーズコンプレックス)という、ホーカーセンターが二階に入っている建物の、一階です。

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解散した、ではなくちぎれたバンドを直してほしいんですが、と簡単な中国語で話かけると、こちらはバンド代、手間賃含めて5ドル(400円)だけ。

座って待っててというので、イスに腰掛けてソワソワしながら待っていました。

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そして待つこと3、4分で新しいバンドがついた腕時計がもどってきました。このときは、素でかなり嬉しかったです。裾上げしたジーンズが、自分のサイズにあって戻って来るあの感覚。お直しってやっぱりいいですね。

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そしてさらに待つ事2週間、靴底のお直しができた頃、私はマレーシアにいたので、奥さんにチャイナタウンまで靴を取りに行ってもらいました。

奥さんからは、素晴らしい出来よ!みたいな事がメッセージで送られてきたのですが、私は実物を見るまでは、あまりぬか喜びはしないでおきました。

 

そして次の週にシンガポールへ帰り、さっそく靴を拝見してみると

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茶色のソールが黒に変わってますが、ヒモの黒とマッチしてなかなかシャレオツです。

しかしよく見ると、細部がけっこう雑です。黄色の接着剤もまばらで隙間が空いているし、ところどころに小さい釘が打ち込まれていて、ソールから飛び出たりしています。この釘はいつか抜けてしまうような気がしますが。

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このクオリティでも、全然かまわないんですが、そうなると25ドルは高いような・・・と、ここで靴を眺めたまましばし悩みますが、ボロボロのソールを削り取るところからですから、1、2時間はかかるでしょうし、この黒いソールも10ドルくらいはしそうですし、やはりシンガポールなら妥当な値段ですね。

イチャモンつけて本当にすみませんでした。

 

一度捨てようと思っていた靴が、まだ履き続けられる。これは物を大事にしたい人にとってはとても嬉しいことです。これからも使い続けられる物は、こうやって繕って繕って、たとえ不細工になったとしても、長く使っていければこれ幸いです。