シンガポールの定番お土産に、カヤジャムというのがあります。まぁマレーシアにももちろんあるんですが、カヤジャムというのは、ココナッツミルクと卵に砂糖を加えてまぜまぜしてペースト状にしたもので、フルーツジャムとはちょっと違いますが、よくトーストに塗って食べたりするので、外国人にはカヤジャムと呼ばれて親しまれています。
現地の人にはカヤと呼ばれていて、まぁ日本語では「蚊帳」を想像しますが、カヤはマレー語で「豊かな」という意味らしいです。じゃあ尾崎豊は尾崎カヤ? 武豊はタケ・カヤ? ちなみにカヤはタイ語では「ゴミ」という意味です。
これだけカヤカヤ言われると、もうこの言葉は忘れませんね。
さてそんなカヤジャムを、今回はヤンピンさんが手作りしてみました。
ココナッツミルクさえ手に入れば誰でも簡単に作れるので、ぜひ参考にしてください。
まず今回使った材料と分量はこちらです。
- ココナッツミルク 100cc
- 卵 1個
- 砂糖 40g
- パンダンリーフ ちょっと
パンダンリーフというのが聞き慣れないと思いますが、マレーシア全土に広く分布している植物の葉っぱで、独特の甘い香りがすることから、色々な食べ物、とくにデザート類によく使われています。
これは、日本だと手に入りにくいと思うので、なければ入れなくてもかまいません。これを入れると、カヤジャムが緑色になりますし、入れないと茶色のカヤジャムができます。スーパーにもだいたい2種類共おいてあります。
私は数年前に友達からこのパンダンの小さい株をもらい、それを庭に植えたらゆるやかに育ってくれているので、それから葉をちょっとだけいただきます。
パンダンは、ただ植えただけでなんの手間をかけることもなく、自分で育ってくれている逞しい植物です。あとレモングラス、ミントなどもほんと手間要らずで逞しいですね。私も見習いたいです。
しかしとったはいいものの、案の定変な虫の巣とかがはられていて気味が悪かったので、熱湯消毒してみます。虫を食うのは抵抗がないですが、虫の卵とか巣は抵抗があります。気持ち悪いこと言ってすみません。
これで材料が整いましたので、やっとお料理スタートです。
まずは鍋に卵、ココナッツミルク、砂糖を入れてやさしくかき混ぜます。
だいたい混ぜ合わさると、こんな色になりました。
そしてここにカットしたパンダンリーフを入れて、弱火で少しずつかきまぜなら煮ますが、なんだか少しダマができてきました・・・。
5分くらいして、ニオイも色も出きったので、パンダンリーフは取り除きます。
なんだかやぱいなぁと思って、もっとやさしく混ぜるようにしたんですが、熱を入れれば入れるほど、ダマになって、水分が分離していきます・・・。
なんじゃこりゃあ!
味見してみると、味はまぁカヤジャムなんですが、食感がやっぱりちょっと変です。砂糖を大さじ1追加してみましたが、なにも変わりません。
完全に失敗です・・・。
何がいけなかったんだろうと考え、火を入れる前に、もっとやさしく、もっとよく混ぜなければいけなかったんじゃないだろうか、そんな結論にいたりました。
そして幸運なことに、ココナッツミルクもパンダンも、まだ半分残っていたので、それを使ってもう一度チャレンジすることにしました。
今度はもっと優しく、そして湛然に時間をかけて混ぜました。
そして10分後。
なんじゃこりゃあ!!
またもや激しく失敗です・・・。
私はもう精も根も尽き果てました。
こんなに頑張っても報われないことがあるのか・・・いや、俺の人生そんな事ばかりだったじゃないか、さぁもうこんなスクランブルエッグみたいな物は庭にぶちまけてフテ寝でもしよう、そう思ったのですが、ふと一つのアイデアが浮かびました。
ミキサー(ブレンダー)を使って、もっと混ぜてみたらどうだろう。
一か八かやってみようと思い、最初の失敗作も合わせてミキサーにぶち込み、低速で数分混ぜてみました。
するとどうでしょう。
あらららら、市販のと同じくらいスムーーースになってしまいました。
そして味の方も、滑らかになって口当たりも全然違います。まさにカヤジャム、いや市販のよりもさらにスムースで美味しいです。
まさかこんな裏技があったとは、いや、これがひょっとしたら新しい次世代の正しい作り方なのかもしれません。適当に作って失敗させておいてミキサーで一気に解決。
そういうわけで、ミキサーがある限り、何も心配することはありません。
ダマになろうが異臭が発生しようが、ドーーーンといっちゃって、最後はミキサーでヴイーーーンです。
そしてミキサーを持っていない方は、私のいい加減なレシピには従わず、ご自分でちゃんとしたレシピをインターネットで探してくださいね。
今回もあまり役に立たない情報で、ほんとうにすみませんでした!