私の所在はシンガポールにあるのですが、毎週月曜日、マレーシアの別荘(月3万円)に行き、せわしなく休日を過ごし、金曜日からシンガポールに帰り仕事をする、というようなルーティーンで、ここ2年ほど過ごしています。
シンガポール・マレーシア間の往復はいつもバスを使っているんですが、先週はじめて電車を使ってマレーシア入国をしてみました。
シンガポールからマレーシアへの入国方法は3つあり、一つは自家用車・自家用バイク(自転車も可)で、もう1つがバスで、そして席数が限られているのですが電車でも行くことができます。
国境は24時間解放されているので、自家用車なら真夜中でも通ることができます。
私はほぼ毎回バスで行っているのですが、先々週は、マレーシア入国審査場に予想以上に大勢の人がいて1時間以上列に並んでクタクタになりました。
なんでかな~と考え、そのときやっと、今はシンガポールのスクールホリデーなんだった!と気がつきました。日本でいう夏休みで、一ヶ月の長期休みなので、大勢の学生、子供連れがマレーシアに出かけます。これは来週もヤバそうだなぁと心配になったのですが、そのとき電車はどうだろう?というアイデアが浮かびました。
友達の話によれば、一日に10本以上もの電車が、国境を行き来していて、座席数が決まっているので、チケットさえ予約できれば混雑により過剰に待たされたりする事はないとのこと。
さっそくインターネットで調べてみると、次の月曜日、12:30出発のマレーシア行きのチケットがまだあったので、すぐに予約しました。値段は5SGD(400円)です。
週末のチケットはとても人気があって、数週間先まで売り切れ状態だと聞きましたが、平日のチケットは一週間前でも予約できました。
予約も簡単で、氏名、年齢、パスポート情報などを入力をしてクレジットカードで支払うと、E-ticket(Eチケット)が送られてくるのですが、ここで気をつけなければいけないのは、このEチケットだけでは電車に乗れません。当日Woodlansチェックポイント(電車の出発場所)まで行き、発車時刻の30分前までにこのEチケットを乗車券に交換しなければなりません。気をつけなければいけないのはこれくらいです。
そして当日、シンガポール北部のWoodlands駅(ウッドランズ)のバスターミナルから911番のバスに乗りました。行き先にはちゃんと"Woodlands Train Checkpoint"と書いてあります。
バスは20分ほどでチェックポイントのバス停に着きました。時間は11:45です。
バスを降り、それらしき建物の中に入ってみると"KTM TICKETING OFFICE"と書いてある看板があり、その先にはちょっと長い列ができていました。
これだなと思い私も並びましたが、乗車券を受け取るだけなので列の進みは早く、5分ほどで私の番がまわってきました。
カウンターで、印刷してきたEチケットを見せると、何も言わずに乗車券をくれました。これであとは発車時間を待つだけなので、安心したら尿意をもよおし、トイレを探しましたがありませんでした。頻尿な方は、事前にすませてきた方がいいかもしれません。
しょうがないのでお尻の穴をキュッとしめて、2階に上がってみると、ここでも列があり、もう30人くらいの人が並んでいました。私も列の後ろに並びましたが、ここはエアコンも扇風機もなく、とても暑かったです。
10分くらい待ってやっと列が進み始め、ここで乗車券の確認なのですが、私のすぐ前に並んでいた中国人のカップルに問題発生のよう。見ると携帯に保存したEチケットを見せています。
スタッフ、私、後ろのおばちゃんも声を揃えて、下に降りてEチケットを乗車券に変えなきゃダメ!
カップルはあわてて走って行きました。青春ですね。
乗車券を見せたあとは、階段を降りていき、シンガポール側の出国審査場です。ここからは写真撮影は禁止なので、写真はありませんが、シンガポール人とPR(永住者)の列と、その他の外国人の列に別れます。
そこが無事に通過すると、今度は長い廊下を歩くのですが、その先にトイレを見つけたので、そこで用をたしました。
みんなけっこう早歩きで我先にと歩いて行くのですが、ネットでの予約時に座席も選んだので指定席のはず。なぜ急ぐ意味があるのかわかりません。私は一休さんモードで、慌てない慌てない、と心の中でつぶやいているのですが、流れに逆らえずにやはり同じように早歩きをしている自分がいました。精神修行が足りないです。
そして廊下を進むと、今度はマレーシアの入国審査場です。8つくらいブースがあったのですが、審査官はみんな50歳以上のオジさんばかりです。
私が普段行くバス用の入国審査場は、どう見ても平均年齢30歳以下のヤングマン揃いなのですが、こちらは年功序列の生んだ魔物揃いです。
そして審査場の奥に手荷物検査機が見え、4人のスタッフが真剣な顔でスクリーンをチェックしています。どうやら全員もれなく、ここで荷物をチェックされるようなのです。あたりまえの事なのですが、ここで私はヤバい!と思いました。
カバンの中に、マレーシアで友人達と飲もうと思って、半分くらい空いたウィスキーの瓶を入れて来たのです・・・。
列では私の番が回ってきて、入国審査官に少し質問されたんですが、私の頭の中はウィスキーの事でいっぱいです。
パスポートにハンコをもらい、ついに手荷物検査です。自分のカバンを機械に入れて、出て来たところをやっぱり止められてしまいました。
ボトルが入ってるでしょ?と言われ、ああ・・・そういえば入っていたような・・・と渋々カバンを開いてウィスキーのボトルを係員のオジさんに見せると、オジさんはそれを手に取り、・・・蓋は開いてるからいいな、と言ってカバンの中に戻してくれました。やったー!
お酒の持ち込みはダメなんですか?と聞いてみると、蓋が開いてない新しいヤツは、一本から関税を課せられ、お金を払わせられるとの事でした。さすがに一本いくらかまでは聞いていませんが。
ちなみにいつも行くバス用の入国審査場では、検査機はあるものの、スタッフは働く気が全くなく、手荷物を通せと言われたたことなどありません。私はよくお酒をマレーシアに持ち込むので、これからは一応全て蓋を開け、軽くラッパ飲みしてから持ち込む事にします。
そんなわけで最大の難関を抜けて、やっと電車のプラットホームにたどり着きました。車両は10両くらいあったんじゃないかと思いますが、プラットフォームには、全席自由席と書いた看板がありました。指定席じゃなかったようです。座りたい方はやはり早め行ってください。
まぁ乗ってる時間は5分くらいなので立ちっぱなしでもいいんですが、一応私も小走りして遠い方の車両まで行き、なんとか席を確保して座りました。
12:30発車予定でしたが、私が席に着いた時にすでに12:43。さらに10分ほど経ってから、ようやく電車は出発し外の景色が見えてきました。
線路のすぐ横には大きな水道管のような管があり、ああこれを通してシンガポールはマレーシアから水を買っているのかな、麻薬もここを通っているのでは、いやドローンを使えばもっと簡単だよ、などと変な妄想をしているうちに電車はジョホールバルに到着しました。
ここまで来たらもう急ぐ必要はない、と思っているのに、けっこうみんな小走りで我れ先にと進むのはシンガポール人の性なのか、異国へ降り立った興奮のためなのか。
そして階段を上がると、ああここへ出るのね!!といつもの見慣れた場所へ。ジグソーパズルのピースがまた一つはまったような、少しスッキリした感じでした。
出国審査を通るまでの待ち時間が少し長く感じましたが、混んでいるときのバス用の入国審査の待ち時間に比べれば屁のようなものです。
今後もスクールホリデーなどの、激混みが予想されるときは、早めにこの電車のチケットを予約しようと思います。
ちなみに反対方向の、ジョホールバルからシンガポールは、3分の1の5RMです。
マレーシアの物価はシンガポールの3分の1! これ要チェックです!
というわけで、シンガポールからジョホールまでの電車の旅でした。