ペルヘンティアン島からクアラブスッへ戻ってきた我々。今回の旅行の目的は全て達成されたので、これから家まで帰るわけですが、今回我々が選んだ帰宅方法は、100km南にあるクアラトレンガヌまで行き、そこで一泊してから翌日にトレンガヌの空港からジョホールの我が家まで帰ろうというものです。
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なのでまずはクアラトレンガヌへ行くのですが、とりあえず一番安いバスで向かおうと思いインターネットで検索しましたが、いまいち確かな情報が得られず、しょうがないので、掴んだ少しの情報を元に行動してみました。
クアラブスッにはバスターミナルがあるので、そこに行って聞いてみれば話が早いのですが、私が掴んだ情報によると、そこまで行かなくても、道ばたで立っていて、バスが来たら手を振ればそのバスは止まってくれるとのこと。
私は、手を振れば止められる、20分くらいでバスは来る、という情報から、コタバルから乗って来たようなローカルバスだなと推測しました。
外は暑いので、できるだけ奥さんを歩かせたくないという心遣いもあって、その方法を選んだのですが、結果的にこれがとんでもない失態を招いてしまいました・・・。
私はほんのちょびっっとだけマレー語が話せるのですが、これも今回は仇となりました。
とりあえずインターネットに書いてあった、ここで待てばそのうちバスが来るよという情報だけを頼りに、ジェッティーから歩いてそこへ行ってみました。歩いて5分くらいの所です。場所はちょうどコタバルから乗ってきたバスを降りた所でした。
向かい側にお店があったので、そこへ行きカタコトのマレー語で、トレンガヌに行きたいんですが、ここにバスは来ますよね?と店のおばちゃんに聞くと、うん、来るよ、でもバスターミナルに行けと言うのです。
そこで私は、ああ私が不慣れな外国人だから、バスを見過ごすとでも心配してくれているのだな、と勝手に思い、でもここにバスは来ますよね?ともう一度聞くと、うん、来るよ、というのでやはりそこでバスを待つ事にしました。
一応もう2人ほど、通りがかりの地元民にも同じ質問をしましたが、だいたい同じ答えでした。
そして炎天下の中そこの木陰で待つ事10分、そして20分、バスはまだ来ません。
おかしいなあ、だいたい20分以内には来ると書いてあったけどなぁと心配し始めましたが、こうなるともうそこから動けないのです。なぜなら移動しているときにバスが来たらバスが止まってくれるか心配だから。
すると30分くらいしてやっと1台のバスが来たので、全力で手を振りバスを止めると、それは私たちがコタバルから乗って来た639番のバスでした。
一応、トレンガヌに行きたいんだけど、と聞いてみると、バスのドライバーに、これじゃない、黄色いバスだ、黄色いバスに乗れ、と言われました。
新たな情報を掴んだ事で、少し安心しましたが、その後やはり待てども待てどもバスは来ません。
そしてついに1時間くらいが経とうとしているとき、向こうから1台のバスがきました。しかしどう見てもローカルバスではなく、長距離バスのよう。しかも色は白です。なので手を振らずに見送りましたが、すれ違う瞬間、私はバスの前にTrengganu(トレンガヌ)と書いてあるのが見えました。
すごくイヤな予感がしましたが、この事は奥さんには告げず、とにかくもう1時間も経ち、明らかにおかしいのでバスターミナルへ行こうと言い、歩いてバスターミナルへ向かいました。
バスターミナルにはものの5分もしないうちに着きました。どうやらものすごく近かったみたいです。そしてバス会社のスタッフらしいオジさんに、クアラトレンガヌ行きのバスってここに来ますか?と聞いてみると、案の定、ちょうど今さっき出発したよとの答えが・・・。
やはり私がさっき見逃した長距離バスがトレンガヌ行きのバスだったのです。私はトレンガヌ行きのバスはローカルバスだと思いこんでいましたが、なんと長距離バスでした。
そして次のバスはと聞くと、次は4時間後。
奥さんはただ私の言うことに従っていただけなので、何が起こったのか状況が理解できずただ呆然しています。私は精一杯頭を使って行動したつもりでしたが、それが全部裏目にでて、情けないやら、奥さんに申し訳ないやらで、軽く立ちくらみがしました。
他にバスはないのかと聞いても、南方面に行くバスは全くないという事なので、もうしかたがないと思い、奥さんに全部私が払うからタクシーで行こうと切り出しました。
トレンガヌまでのタクシー料金は130RM (3,400円)。
奥さんはそんなにタクシーに払うなんてありえないとまだ憤慨していましたが、私が全部出すからとなんとか説得していると、タクシーの運転手が120RMにまけてあげると言いました。しかし私はもう130RMだろうが、150RMだろうがいくらでもいいわという気分でした。
そんなわけでとにかくタクシーに乗りますと告げると、運転手はよっしゃまかせとけ!!とばかりにサングラスをかけて、自分のタクシーまで小走りでかけて行きました。
そして彼のタクシーに乗りこむと、いまどきエアコンもついてないおんぼろで、車内は激暑。窓を前回に開けて出発しましたが、私は怖くて奥さんの方が見れませんでした。
しかしさすがベテランドライバー、ものすごいスピードで前の車をぐんぐん追い抜かします。メーターを見るとスピードは120km。もしかしたら死ぬかもしれないけど、これで死ぬなら完全に運命なんだなと思って、身を任せました。
車内では、全開の窓から入ってくる風に顔を打たれながら、なぜこんな事になったんだろうかとずっと考えていました。
そして海岸線を走ること1時間弱で、無事にクアラトレンガヌ市へ入りました。
市内は信号が多く、しかも待ち時間が異常に長いので、おじさんは舌打ちを繰り返しながらも、無事に我々が泊まる中華街のホテルに送りとどけてくれました。
二人とも汗だくで、身も心もクタクタに疲れ果てていましたが、なんだかんだで良い勉強になったなと思いました。奥さんにはただただ申し訳ないかぎりですが。
着いてから、あっ、Grabタクシーだったらエアコン車で、もっと安かったかも、と思いましたが、そんな事はどうでもいいのです。生きてるっていいですね!
それでは次は軽くクアラトレンガヌの街の紹介をしたいと思います。