シンガポール漂流生活

シンガポール在住歴12年、日本語教えたり、絵描いたりして、なんとなく生きてます。

マレーシアのSerembanでローカルの結婚式に参加してきた 前編

先日、マラッカに来たという記事を書きましたが、マラッカに2泊したあと、クアラルンプールとマラッカの間にある Seremban(セレンバン)という街にやってきました。マラッカからはバスで1時間足らずで着きました。

yangpingsan.hatenablog.com

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そしてセレンバンのバスターミナルで、午後4時頃、奥さんをはじめ、義理の両親、義理叔父、叔母と合流しました。彼らはこの日の朝、シンガポールをバスで出発し、セレンバンで行われる奥さんの従姉妹の結婚式に出席するため、5時間かけてやって来ました。もちろん私も出席します。

 

マラッカや、ジョホールのバスターミナルでは、バス会社のブースが全部消え失せたと書きましたが、ここにはまだちゃんと残っていました。前を通る度に、どこに行くんだ?と声をかけられます。このちょっとウザい感じがたまらなく良いです。守り続けていただきたい。

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バスターミナルには、セレンバン在住の叔父さんたちが車で迎えに来てくれ、さっそく私たちをどこかへ連れて行きました。着いた先は郊外にある、貸し切りのホームステイです。今回の結婚式に招待されたゲストは、みんなここに一緒に泊るのです。

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しかし私と奥さんだけは特別に、街中のホテルを予約してもらいました。理由は、私が知っている人もいないし、中国語も上手く話せないので、親戚人と同じ部屋で寝泊まりするのはさぞかし酷であろう、という新郎新婦の配慮からです。素晴らしい配慮あざーーーーっす!!

 

とりあえず親戚陣に挨拶をして、私と奥さんだけは一旦ホテルに戻り、荷物を置いてからまた夕方7時頃にホームステイに戻ってきて、みんなで夕食です。ちなみにこの日は結婚式前夜。

夕食はブッフェ形式で、たらふく食べましたが、お酒などはありませんでした。新婦側の親戚が、子供も含めて2、30人来ていたと思います。このホームステイは、新婦側の親戚の宿泊場となります。

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そしてここで飛び交う言葉は、主に広東語です。前にも書きましたが奥さんの家族の基本言語は広東語。親戚もみんな広東語です。私は広東語はほとんどわからないので、ときおり奥さんが訳してくれた親戚からの質問に笑顔で答えたりしました。

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ブッフェを食べ終わったら、すぐにGrabタクシーを呼んでとっとと自分たちのホテルに戻りました。本番は明日です。

 

 

そして二日目、土曜日の朝、朝8時過ぎにまたホームステイにみんな集合しました。会場にはバッチリ化粧を施し3割増しキレイになった新婦さんがスタンバッていました。

そして9時過ぎに、外から急に太鼓の音が聞こえてきました。出て行くと、中華系のお祝い事には欠かせない、ライオンダンスチーム楽器隊ピンクのライオンがおり、家の入口に一台の高級車が停まりました。

どうやら新郎が乗っているらしいのですが、彼はまだ降りてきません。そこへ新婦側の代表人が近づいていって、ウィンドウ越しに、車の中の新郎と何かを話しています。

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説明しよう!

これはマレーシアの中華系の結婚式ではお決まりの儀式で、新郎は結婚式当日、花嫁を迎えにくるが、新婦サイドは簡単に花嫁を新郎に渡したりはせず、まず新郎が新婦に紅包(アンパオ)*1をいくらくれるのかを、代表人を通して交渉するのである。新婦サイドは、新郎が十分な紅包の額を提示するまで、花嫁は渡さないのである。

 

交渉は5分近く続きましたが、やっと交渉が成立したようで、車の中から白い正服に身を包んだ新郎が降りてきました。

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ピンクライオンさんたちも喜んで、列席者にからみはじめました。それに楽器隊もつづきます。まだあどけない子供たちです。と思ったら太鼓はただの背の低いオバさんでした。

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新郎は家の2階に待機している新婦の所へと向かいます。

しかし、ここでもまた新たな試練が新郎を待ち受けていた!

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部屋の前には新婦の友人が二人、仁王立ちの含み笑いで待ち受けており、新郎にいくつかの質問を投げかけます。新郎はここでもこれらの質問に、新婦が満足する答えを出さなければ新婦にはたどり着けません。わたしならあきらめて帰ってしまうかもしれません。

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何を言ってるのは私はよくわかりませんでしたが、奥さん曰くその場で腕立てを何回も強要される新郎もいるのだとか。小学生か!!

ピンクライオンさんも心配そうに見守っています。

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また数分を要したものの、新郎は無事に新婦の満足する答えを出したらしく、部屋の中に入り無事に新婦に会えたようです。

そしてそのまま2階のバルコニーにて、新郎新婦の写真撮影が始まりました。

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それからまた1階に降りてきて、ライオンダンスで祝福です。

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ダンスが終わると新婦サイド、新郎サイド、それぞれの集合写真撮影です。

パイナップルが漢字の「」の形に切られています。好奇心旺盛の「」ですね。繁栄を意味するめでたい字です。

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ここでライオンダンスチームは役目を終えて帰り支度をします。今回はいったいいくらもらったのでしょうか。そしてそのうち子供達の手にはいくら渡るのか。

新郎が乗ってきた白いベンツは、ぽつねんと寂しそうです。違反切符を切られないか心配です。

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つづいては家の中に場所を移し、こちらも華僑の結婚式ではおなじみティーセレモニーという儀式が始まります。これは新郎新婦がご両親をはじめとした、親類などとお茶を交わし、お茶をもらった親族は紅包(アンパオ)でお返しをします。

まずは新婦のご両親からで、続いて7、8組くらいお茶を交わしていました。うちの奥さんもすすめられていましたが、頑なに断っていました。紅包(アンパオ)が惜しいのでしょうか。きっと旦那の稼ぎが悪いのでしょう。

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司会進行は、つのだ☆ひろソックリで、ちょっとオネーが入った男性ですが、彼がまたとても流暢な広東語、北京語、英語をたくみにあやつるすごいヤツです。

 

というわけでやっと午前の部が終わりました。これとは別に、ちゃんとした結婚披露宴というのがこの日の夜7時からありましたが、長くなってしまったので後半で書こうと思います。

*1:中華系のご祝儀袋で、お祝い事のときに、中にお金を入れて相手に渡すもの。お年玉のようなもの