シンガポール漂流生活

シンガポール在住歴12年、日本語教えたり、絵描いたりして、なんとなく生きてます。

香港のホステルでの話

おはようございます。ヤンピン先生です!

以前も書きましたが、私は個人で日本語を教える「家庭教師」をしています。レッスンの時間はだいたい一時間半です。先日も朝8時から、あるスターバックスにて、レッスンをしてきました。私のレッスンは会話が中心なのですが、先日のレッスンでも会話をしていて、ちょっと面白い話を聞いたので、それをちょっと紹介したいと思います。

 

 

生徒さん:先生。香港のホステルで面白いです。

わたし :香港に行きましたか?

生徒さん:はい、香港に行きました。ホステルに住みます。

わたし :香港のホステルに泊まりましたか。いいですね。一人ですか?

生徒さん:はい、一人で香港のホステルでとても面白いがありました。

わたし :面白い事がありましたか?どんな事ですか?

生徒さん:はい、とても面白い事です。でも怖い事です!

わたし :ええ!?怖いですか〜。じゃあ教えてください。

生徒さん:はい、私は先週香港に行きました。そして・・・

 

 

以下 生徒さん(女性)の体験

 

私は先週香港に一人で旅行に行って来ました。香港のホテルは高いし、私は幽霊が怖いので今回はホステルに泊りました。ホステルはカプセルホテルみたいで、たくさんの人が一つの部屋に泊っているので、怖くありません。私の部屋は女性専用で、大きな部屋の中にベッドがあります。女性専用のドミトリー部屋の隣には、ドアを一つ隔てて、男女共同のドミトリー部屋もあります。

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そのホステルはセルフ・チェックインで、ホステルのスタッフ常駐しておらず、事前にお金を振り込むとチェックインの方法を教えてくれて、自分で部屋に入るのです。

 

私が部屋に入ったとき、一人の女性が部屋にいました。国籍は聞きませんでしたが、顔はアジア人で、広東語と英語を話します。香港人かもしれませんが、香港人が香港のホステルに泊るのは変だなと思いました。

彼女はもう一ヶ月くらいこの部屋を利用しているとかで、ホステルの事について何でも知っていて、とても親切に色々教えてくれました。

 

そして二日目の夜に事件は起こりました。私が観光を終えて夜8時頃にホステルに戻ってくると、共用のリビングルームで数人の男女がピザを食べたり、ワインを飲んだりして談笑していました。その中にはあの女性の姿もありました。彼女は私にも、一緒にお酒を飲もうと誘ってくれたのですが、私は疲れていたので先に部屋に戻り寝ました。

 

そしてその夜、ある物音で私は目が覚めました。時間は夜の12時過ぎでしたが、女性専用部屋の隣、共同部屋の方から、何かを床に投げつける音がします。音からしておそらく、壁にかけてある木製のハンガーかなにかでしょう。そして更に耳をこらすと、あの女性の声で、彼女が何かブツブツと言い、ときおり叫んだりしています。

内容は、このホステルに女性を連れて来たりしてはいけない!何をやってるんだ!恥を知れ恥を!などと罵っているのですが、相手の声は全く聞こえません。おそらく独り言です。さらにしばらくすると今度は、ガシャーーン!!ガラスか何かが割れる音が聞こえ始めました。恐らく花瓶か何かを床に叩き付けていたんだと思います。私は怖くなって自分のベッドから出る事もできず、頑張って眠りました。

そしてまた夜中の3時くらいにある音で目覚めました。またあの女性の怒鳴る声ですが、今度は男性の声も聞こえます。どうやらある男性客が本当に女性を連れて来たらしく、彼女はさっきと同じようなセリフで彼を罵っています。男性も弁解をしていますが、彼女の剣幕は相当なもので、男性は弁解と謝罪を繰り返す一方です。

私は次の日の早朝からハイキングの予定があったので、またもや頑張って眠りに着きました。朝5時頃目が覚めると、もう部屋は静まり返っていました。

ハイキングに行く準備をして部屋を出ると、やはり壊れたガラスの破片や、ハンガーなどが簡単に片付けられて隅の方にまとめてあります。私はそのままホステルを出ました。

そしてハイキングが終わって午後2時頃ホステルに帰ってくると、部屋にその女性がいました。彼女は、昨日の事はごめんなさいと私に謝り始めましたが、彼女の態度に謝罪の色は全くありません。それよりもあの男のした事は本当に最低で、まだ許せないと延々と話し続けるのです。私は腹が立ち、もう充分です、聞きたくないと言いましたが、彼女は荷物を片付ける私を横目に、一人で話し続けました。私は彼女を無視しホステルを出て、また観光に出かけました。

 

そして夜にまたホステルに戻ってくると、ホステルの前にある男性がいます。彼はそのホステルのオーナーで、ホステルのドアの鍵のナンバーを変えた事を私に教えて、ドアを開けてくれました。彼が言うには、ナンバーを急遽変えたのは、あの女性をもうホステルの中に入れないようにするためで、彼は彼女が戻ってきた所を捕まえて、警察に突き出そうとしているらしいのです。私はもうこれ以上変なことに巻き込まれたくないと思い、部屋に戻ってすぐに寝ました。

次の日の朝、そのホステルをチェックアウトするときに、そのオーナーの男性がいて、昨日の夜彼女を捕まえて、警察に連れて行った事を教えてくれました。とても綺麗なホステルでしたが、あの女性のせいでとても大変な思いをしました。。。

 

以上が生徒さんの体験談でした。

 

もしかしたらこの女性は極度の酒乱だったのかもしれません。そもそも一ヶ月も同じホステルのドミトリーに住むというのも、かなり訳ありな感じがします。とにかくなかなかぶっ飛んでいる個性的な女性です。

私もドミトリーはときどき泊る事がありますが、たしかにどんな人と同室するかが命運を分けると思います。日頃の運が試されるかもしれないので、普段から良い行いを心がけたいですね。はい余計なこと言いました。

 

ちなみに私が一番驚いたのは、ドミトリーに女を連れ込むヤツがいるのか!という事です。

それではまた面白い話を聞いたら報告させてもらいます。