私は毎週末、シンガポールのべドックという町で、朝から日本語のレッスンがあります。朝けっこう早いので、レッスンの15分前くらいに行って、べドック・インターチェンジ・ホーカーセンター(Bedok Interchange Hawker Centre)というフードコートで朝ご飯を食べます。
麺類をがっつり食べる時もあるんですが、ちょっと小腹が空いているなぁという時は、これを食べるようにしています。
「水粿」と書くんですが、さてなんと読むでしょうか。スイカと読んでしまった人は純粋すぎます。日本では生き残れないでしょう。ぜひマレーシアに来てください。
まぁ私も読めなかったんですが、地元の人はみんなチュイクエ(Chwee Kueh)と読んでいます。
これは中国語なんですが、いわゆる標準語と呼ばれる北京語ではなく、福建語というやつです。北京語で読むとチュイクエではなくシュイグオと読むんですが、シンガポールで「シュイグオちょうだい」というと、果物が出てきます。果物も北京語では水果(シュイグオ)というんですねー。紛らわしいですねー。
ちなみに有名なバクテー(肉骨茶)というのも福建語です。シンガポール人は欧米人の事をアンモ(紅毛)と呼びますが、これも福建語。
「チュイクエ(水粿)」の話に戻りますが、このフードコートに有名なチュイクエの店があるんです。いつも長い列ができているのですが、私は朝8時前に行くので、けっこうすんなり買えます。
『 Bedok Chwee Kueh 』
店番号は01-19。営業時間は、火〜日(月曜定休日)の6:30〜21:30です。
この食べ物は味もさることながら、値段もかなり安いのが魅力です。
二個で1$、三個で1.5$、四個で2$、百個で50$です。*1
百個も食べる奴なんていねーよと思ったでしょ。けっこういるんですよ大量に注文するぽんつくが。待ってる方にはいい迷惑です。
さて小腹の空いた私は、今回は三個買ってみました。
テーブルに持って行って袋を開けると、アフリカ人が写真だけ見て知識ゼロで作ってみたきなこ餅みたいなものが現れました。
この白いのは、水と米粉、小麦でんぷん、コーンスターチ、タピオカ粉などを混ぜ、それを型に入れ蒸したもので、ゼリーよりももっと柔らかいです。
そして上にかかっている茶色のが、チャイポー(Chai Poh)といって、大根を細かく刻んで味をつけた、漬物のようなもので、かなり油っぽいです。包んでいる紙が変色しているのはこの油のせいです。
あとサンバルというチリもかかっています。
肝心のお味のほうは、なんと言ったらいんでしょう。なんと言ったらいいんでしょう。なんと言ったらいいんでしょうか。米粉なので、やはりごはんに近い感じですかね。
でも何も知らず食べたときは、大根をすりおろしたやつかなと思いました。
とにかく美味しいです。デザートではなく、主食という感じ。
注文の仕方ですが、ずばり個数を言えばいいと思います。
一個ならイーガ(一个)
二個ならリャンガ(两个)
三個ならサンガ(三个)
四個ならスーガ(四个)
スーガは発音によっては十個の意味にもなるので、4個くるか10個くるかは運次第です。
そしておそらく「ヤオラージャオマ(要辣椒吗?)」と聞かれますが、これは「チリは要るか?」の意味なので、うなずくか、「ヤオ(要)」と返事して、チリも要れてもらいましょう。チリのない水粿なんて、牛を忘れた牛小屋と同じです。
ベドックにお越しの際は、ぜひここで水粿を食べてみて欲しいですが、シンガポール人曰く、ここのホーカー(フードコート)には他にも有名な食べ物がたくさんあるみたいなので、色々食べてみるといいかもしれません。
余談ですが、ここのホーカーで飯を食べるときは、いつも同じ店で飲み物を買うんですが、そこのマレー系のおじさんがとてもきさくで、すぐに私の顔を覚えてくれて、飲み物を買いに行く度に色々話しかけてくれます。
そしてときどきマヅダ、マヅダ言うんですが、私は正直意味がよくわかりませんでした。しかし先日、ご飯は食べずにただそこを通りかかったときに、飲み物屋のおじさんが私を見つけて「マヅダーー!」と言ったのを見て、ああマヅダってオレの事だったのかと気づきました。
たぶん日本人だから、日本車の「MAZDA」の事を言ってるんじゃないかなと思います。まさか私をゾロアスター教の神、アフラ・マズダの生まれ変わりと思ってるわけはないと思うので。
*1:1$は80円