前回の話
バングラデシュ旅行記11 観光再開 - シンガポール漂流生活
11/26(火)
朝7時くらいに目覚める。
トイレに行って用を足したら、下痢が治っていた。
7:50分くらいに朝ご飯の卵サンドイッチとミルクティーがきた。予定より10分も早いじゃないか。
どこかへ移りたい気分だったが、そういえばチッタゴンの街はまだ実質半日しか観光してないなと思い、ホテルを移りこの街にもう一泊することにした。随分長居したような気がしたが、ただホテルで寝込んでいただけだ。
10時過ぎにチェックアウトをすると、レセプションの男性がFacebookを交換しようと言ってきた。それから一緒に何枚か写真を撮り、下まで送ってくれて別れた。
そこからサイクルリクシャーに乗り、ニューマッケットに向かう。
この日の朝は土埃もなく非常に清々しい。
しかしニューマッケットはやはりすごい人と車と土埃だった。
まずは用もないのに駅を見に行った。バングラデシュ第二の都市の駅くらいは見ておきたい。駅構内にはあまり人はおらず、とてもすっきりしてゴミも落ちていなかった。ダッカのモティジールの駅とは大違いだ。
プラットフォームへ行くと警備員の人達が話しかけてきて、一人の人としばらく話しをした。ここの駅のプラットフォームはJAICAが作ってくれた、日本はベストフレンドだと言う。
駅を出ると、モンゴロイド系の青年に話しかけられた。彼が言うには、私の顔が彼の韓国人の友だちに似ているから話しかけたそう。その友だちの写真を見せてもらったら、黒髪で髭が長くて、私みたいだった。
厳密に言うとその人はあっさり醤油顔で、私とは全然違うのだが、ここにいると瓜二つのように思えてくる。
彼はダッカ大学で医学を勉強していて、将来はフランスで仕事をしたいんだとか。出身はモングラという山の上の町で、とても綺麗な所だそうだ。しかし外国人が訪れるにはパーミッションを取らなければいけなく、少々めんどくさい。
またもや彼ともFacebookを交換した。
二人で話しながら歩いていると、むこうから大きな袋をたくさん積んだ荷車がやってきた。前に一人、後ろに二人のおじさんが押している。
駅の方に向かうが、その小道には高さ制限をするために、2mくらいの高さに棒が横に渡され、荷車に積まれた袋の山の上部が、その棒につっかえて進めなくなっている。なんとか荷車を必死で押しているのだが、そこにつっかえて進まない。
私はそれを見て、これは荷車を前から引っ張っている人が一度手を放し、荷車のお尻を一度下げて、その状態で荷車を前に押せばくぐれる!そう思い、そうするようにジェスチャーでオジさんたちに伝え、半ば強引に前で引っ張っているオジさんの手から、荷車を放させた。
途端に荷車のお尻がドン!と音を立てて地面に尻もちをついた。しかし、荷車の荷は私が思っていた以上に、あまりにそれ以上に重過ぎて、今度はびくとも動かない。
これはヤバいことをしてしまったと思った。
オジさんもこいつが上にあげてしまったんだと嘆いているが、怒ってはいない。
一気に責任感と罪悪感に苛まれてしまった私は、本気でどうにかしなくてはと思い、自分のバックパックを路肩に置いた。
まず荷車の前の方に、全体中を載せてぶら下がったが全くピクリとも動かない。私はこの瞬間に軽く絶望した。たぶん1tくらいあるのではないだろうか。54kgではさすがに釣り合わない。
さっきまで私と話していた学生は、ちょっと驚いた顔で、これは君がするような仕事じゃないよ、彼らに任せておけばいいんだという顔をしているが、彼は私が原因でこうなったという事情を知らない。
色んな人がきて、あーでもないこーでもないとやっているうちに、前から引いていたおじさんが主導になって、みんなで荷車をなんとか前に押し出し、次はオジさんが荷物の上に登りてっぺんの袋を一つ降ろした。それだけで荷車のお尻がなんとか持ち上がった。その状態を保ちながら、その袋を4人がかりでまた荷車の上になんとか乗せた。
これでなんとか事無きを得て、荷車はまた3人のオジさんに寄って押されて行った。
えらい重労働だったが、なんとかなって本当に安心した。青年とはここで別れた。
一人になると、腕が疲労で少し震えているのがわかった。ちかくで茶を一杯飲み、もう疲れたので観光はやめて、とっととホテルに向かおうと思った。
バス乗場へ行こうと、バザールの狭い道を歩いて大きい通りに向かった。
干物の店がたくさんあった。こんなに干物があるんなら、もっとスープ料理でも作ったらどうだいと思った。
CGEサークルというホテルが密集している場所へ行くバスを探したが、見つからない。みんなが言う方に10分くらい歩いて行くと、結局さきほどサイクルリクシャーを降りたところに来てしまった。
そこで教えられたとおり4番のバスを待ち、来たので乗り込む。客はほとんどいないが、満席になるくらいまで停まったり、動いたりであまり進まない。
やっと走り出したかと思うと、5分ほどして完全にストップした。前にもバスが停まっている。その周りのCNGなども完全に止まってエンジンを切っている。休憩所にでも着いたんだろうかと思ったが、誰も降りない。客もみんなだまっている。静寂。
なんなんだろうと思ったが、私もじっとしていた。やがて10分くらいしたかと思うと、周りの車もみんな一斉にエンジンをかけた。どうやら信号待ちかなにかだったらしい。
それから少しして、前に乗っている女性の集団と運転手が、急に口論を始めた。運転手の仲間は何も言わず見ている。そのうち男性客も加わって、女性群 VS 男性群の口論はエスカレートし、5分くらいずっと喧嘩していた。みんななかなか短気だなと思った。
ようやくCGEサークルに着き、バスを降りて目星をつけていたHotel Grand という所に行ってみる。しかし一番安い部屋で3,200TK(4,100円)。予算オーバーなので、もう少し安いホテル知ってますかというと、Meridian Hotelを紹介された。すぐ近くだ。
ダッカ行きのバス会社が集まっている所もすぐ近くだったので、まずそっちに最初に行ってみた。
ガイドブックにものっていたGreenLineというバス会社に行って、値段と時間を聞いてみる。ACバス、3列シートで1,400TK(1,800円)。一日何本もあるらしい。
店の外に出ると、二人の兄ちゃんがダッカ行きのバスがあるよと話しかけてきた。二人の話しを聞いていると、さっきのGreenLineのボスが、店内から二人を睨んで、俺の客を取るなという顔をしている。ここも相当競争が激しいみたいだ。
他の店も行ってみたが、だいたいACバスは1列3席で1,000TK(1,280円)、Non-ACバスは1列4席で500TK(640円)というところ。たくさんあるみたいで安心した。
とにかくダッカ行きのバスは、頻繁にここから出ているらしい。
時間と値段を確認したので、リクシャーに乗ってMeridian Hotelに向かう。
大通りに面したなかなか赴きのあるホテルだ。しかしここも安い部屋は今日は全部満室で、3,500TK(4,500円)の部屋しか空いてないようだ。予算オーバーなので他にどこか教えてくれと言ったら、予算はいくら?と聞かれたので2,500TK(3,200円)と答えた。
じゃあ少し待っててと言われ、10分くらい待たされたあと、あなたの予算で3,500TKの部屋に泊まってもいいよと言ってもらえた。
部屋はエアコン付き、ダブルベッド、ホットシャワー、バスタブ付きの素晴らしい部屋。バングラデシュの中では、かなり高級なホテルの部類に入るのではないか。自分には不釣り合いの部屋だけど、たまにはこういうのもいいなと思った。
ケトルも貸してもらい、とりあえず熱いお茶を一杯飲んだ。
つづきます
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