シンガポール漂流生活

シンガポール在住歴12年、日本語教えたり、絵描いたりして、なんとなく生きてます。

バングラデシュ旅行記8 チャップルからチッタゴンへ

前回までのお話

バングラデシュ旅行記7 Chandpur(チャップル)という町 - シンガポール漂流生活

 

11/23(土) 

朝7時に起きると喉が痛い。手はもう痒くないが。

朝から停電らしく、携帯の充電ができない。これは困る。よし、ここのホテルはもう出よう、そう決心がついた。

 

8時頃、朝飯を食べに外に出ると、もう労働者がはたらき始めていて、大量のバナナをトラックに荷揚げしていた。

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それを横目にホテルの隣りの食堂でパラタダールを食べる。どこで食べても安定したレベルの朝食だ。すっかり信頼している。

それから昨日行った港近くの公園の方へ、西へ西へと歩いていく。昨日は邪魔が入ったので、今日もう一度改めて行きたい。

  

スラム街っぽいエリアで、道も舗装されておらず、埃っぽい小道の脇に掘ったて小屋が立ち並んでいる。しばらく行くと線路があり、線路の上に洗濯物を干している。線路沿いや、川沿いは決まってスラム街だが、ここは線路沿いで川沿いと、ダブル受賞。とかヤギとかニワトリとか、七面鳥まで放し飼いにされてる。

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造船所もあり、小型の船を作っていた。腰にサロンをまいた男達が、頭の上に色んな物を載せて運んでいる。すごいなと思って横目で見ていたら、頭の上に大きい丸太を載っけている男性が私を凝視しているので、笑顔で見返すと、彼も空いている片手で握手を求めてきた。

二人共、素敵な朝がスタートできてよかった。

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途中チャドカンでお茶を飲んでるオジさんに声をかけられ、おごってやるからここに座れと言われた。オジさんは隣りのオジさんを指差し、こいつはロヒンギャだと言って、そのオジさんにIDカードを出させ、私に見せてくれた。本当にロヒンギャなのかどうかはよくわからなかったが。

話しながらオジさんたちの顔をジッと見ていると、みんな本当に良い顔してるなあと思ったので、一枚写真を撮らせてもらった。

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ようやく昨日の公園に着いた。もちろん昨日のように人は大勢いなかったが、それでもカップルや家族連れ、暇そうなオッサンがそこそこいた。

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河をしばらく眺めながらボーッとしたあと、対岸へ行く渡し船に乗った。一人5TK。

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 対岸も古い漁師町みたいな雰囲気で、漁業用の網や道具を売っている店が多い。道路にも長い網を干していたが、それをみんな気にせず踏んでいた。

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店のオジさんが、写真撮れ、みたいな事を言うのでカメラを向けると、俺じゃなくてこのジイさん、と言って座って枯れ葉のような物を売っているジイさんの写真を撮らされた。ジイさんはあまり嬉しくなさそう。

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ホテルの方角に向かって歩いている途中、すれ違った通学中の中学生くらいの女の子が、Hiと笑顔で声をかけてくれた。私も笑顔でHelloと返した。

まさかイスラム教の国で、女性に声をかけられるなんて予想外で、とても嬉しかった。相当おませな子だと思う。

 

道の壁にズボンがたくさん干してあって、古着屋のディスプレイかなとも一瞬思ったが、おそらくただの洗濯物だろう。

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疲れたのでサイクルリクシャーに乗ってホテルに向かった。ホテルの前の橋の登り坂がかなり急で、オジさんには重労働だろうと思って、橋の前で降ろしてもらった。

やや多めに払ったら、嬉しかったのかオジさんは天を仰いで、10秒くらいお祈りのようなものをしてくれた。神の御加護があるだろうか。

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橋の下ではボートからの荷下ろしの作業が行われている。

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バナナの荷下ろしもしていて、自転車の後ろに積んでいたが、あれがどれくらい重いのか想像がつくので、自転車をこぐ人のことが少し心配になった。

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そして橋を渡り、午前10時頃、やっとホテルに帰ってきた。

一番上の階の一番左が私の部屋だ。

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部屋に戻ると電気が復旧してたので、すぐ携帯の充電をした。

 

気温もだいぶ温かくなってたので、シャワーを浴びて頭を石鹸でしっかり洗った。

30分ほど休んでから部屋を出た。

レセプションでチェックアウトすると、オーナーのおじさんはまたベンガル語で、バスの乗り方などを長々と説明してくれたが、まったく理解できなかった。

 

ホテルの前からリクシャーをつかまえて、バスターミナルまで行った。

けっこう遠く、20分くらいかかって、バスターミナルというよりはバス会社がいくつか集まっている所で降ろされた。

あるバス会社のカウンターで聞くと、チッタゴン行きのバスは12時半ではなく、14時出発だという。出発までまだ2時間もある。

少し通訳を手伝ってくれた青年も、同じバスでチッタゴンに行くという。青年はチッタゴンでエアフォースの仕事をしているらしい。

私の隣りの席に座ってもいいかと聞かれ、実はすごくイヤだったが、しかたなく承諾した。

 

バス出発まで2時間あるから、どっかへ行こうと青年に言われた。頼むからほっといてくれと思ったが、しかたなく近くのレストランに昼飯を喰いに行き、わたしだけビリヤニを食べた。彼は自分の彼女とずっと電話していた。

食べ終わったあとに、私はご飯を食べるのが遅いかと聞くと、残念だがとっても遅いと言っていた。

 

そのあとチャドカンでお茶を飲み、店にいた他のお客さんたちと、彼の通訳で少し会話をした。チャップルに外国人はいるかと聞くと、中国人がたくさんいるという。町のはずれの方に発電所があって、それは中国人が作ったものだと言っていた。それは知らなかった。

 

バス会社に戻ってきたら、青年はこれから彼女に会いに行ってくるから、なにか問題があったら、バス会社のオジさんに言うようにと言ってどこかへ行った。やっと平和なひととき。

 

30分ほどたって彼が戻ってきて、ようやくバスが出発した。

チャップルからチッタゴンまでは6時間もかかるらしい。電車でも同じだとか。聞いたときマジかよと愕然とした。

 

バスは通路をはさんで2席ずつの、1列4席。デラックスバスではない。

彼はやはり私の隣りに座り、後ろがまだ空いてるのにむさ苦しいなと思ったが、後ろのほうに座った人は運転手のおじさんに、前に詰めて座るように言われていた。むさ苦しいのはしょうがないようだ。

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バスは出発し、青年との会話が始まった。

彼はチャップル出身だが、今はチッタゴンで働いており、数ヶ月に一回帰ってくるらしい。彼女の写真を見せてくれた。さほどキレイには見えないが、どうやら私に自慢しているらしい。

色々話していたが彼が急に改まって、言葉を一つ一つ選びながらある質問をしてきた。

要は、日本に働きに行くのに、一番シンプルな方法はなにかという。それは俺に聞くより、日本大使館とかに聞いてみたほうがいいんじゃないかと言った。

なんでも普通にエージェントなどに頼むと、7500USD(約80万円)くらい払わないといけないらしい。それをみんな外国で働きながら返すのかと聞くと、一括で前払いしなきゃいけないようで、みんな家族やら親戚やらに借りたりして払うらしい。

日本はイスラム教の習慣とは全然違っていて住みにくいから、マレーシアとかシンガポールの方がいいんじゃないかと言うと、でも日本はとても良い国だ。すごい国だと言う。

彼の兄は現在カタールで働いてるが、労働環境は悪く、仕事は過酷で給料も低いらしい。

 

でも日本は年間で自殺する人が3万人近くいるみたいだよというと、とても驚いていた。バングラデシュにも自殺する人はいるかと聞くと、そんな人はいない。みんなお金はないけど、ストレスもなく幸せに暮しているという。

彼はバスの窓から見える路肩の小さい商店を指差し、彼らは働きたかったら店を開けるし、働きたくないときは店を開けずに休む。気ままなものだという。

彼はバングラデシュ人はとても幸せだと言う。

 

旅行中に数回、バングラデシュはきれいか?と聞かれたことがあり、私はとても美しいといつも答える。素晴らしい自然があって、優しい人達がいて、食べ物も美味しいと言うと、そうだろうそうだろうと、みんなとても満足したような顔をする。

 

つづく

yangpingsan.hatenablog.com

  

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