ウォータークレスという名前を聞いたことがありますか。
私は初めてきいたとき、バイオハザードの紋章かなにかかと思いましたが、野菜のクレソンのことでした。
うちの奥さんは中華系のシンガポール人なんですが、中華系にも色々あって、うちの奥さんは広東語(かんとんご)が母語の広東系にあたります。広東系の人は中国南部の広東省や、香港をルーツとしていて、シンガポールやマレーシア、さらに先日旅行に行ったベトナムにも、広東語を話す華僑の人がいました。
ちなみに日本でも有名なジャッキーチェンの映画や、キョンシーアクションで有名な霊幻道士などで話されている言葉、あれが広東語です。
奥さんのおじいちゃんが香港出身で、若いときにシンガポールに渡ってきたそうです。
そして広東料理というのも非常に有名で、点心、フカヒレスープ、燕の巣のスープなども広東料理にあたります。非常に多彩な広東料理なんですが、健康マニアの私がとくに注目しているのは「薬膳スープ」です。
以前も2つ、レシピというほどのものではないですが、「老黄瓜湯」と「清補湯」を紹介しましたが、こちらも香港などでは一般的に飲まれている薬膳スープです。
この薬膳スープ、ただ食材や漢方などを長時間煮込むだけなんですが、私が作った物と奥さんが作った物では、けっこう味に差が出ます。私が作るとあんまり美味しくないというか、カリスマ性に欠けるというか。おそらく火力や、煮込み時間、微妙な分量の違いだと思います。
そこで今回は私ではなく、奥さんにクレソンを使った「西洋菜湯(シーヤンツァイタン)」というスープを、バビッと作っていただきました。
まず材料ですが、クレソン、肉(豚肉でもいいか今回は鶏肉)、ナツメ、そして干牡蠣です。
この干牡蠣ですが、本当は干タコを使うそうです。しかし奥さんはタコがやっぱ好っきゃないねん、ということでいつも干牡蠣を使っています。
もうここからは犬でもキジでも暗記できるくらいシンプルです。
全ての材料を陶器のポット(鉄製はダメ)に入れて、水を入れて2時間煮込む。
インターネットで整形疑惑のある芸能人を調べていたら、あっというまに2時間が経ってしまいました。完成です!
奥さんが煮込むとお湯があまり減りません。私はやっぱり火力が強いようですね。
2時間もコトコト煮込まれたので、最初の色鮮やかさはありません、だがそれがいい!
このスープも、食材の栄養分がほぼ全てスープに染み出ているようなので、具材は食べても食べなくてもいいそうです。
牡蠣と鶏肉からとても良いダシが出ており、それにクレソンの青臭さが絡み合って、とてもマイルドな深いお味でした。
このスープの効能ですが、なかなかすごいです。
これは冬場の乾燥したときによく飲まれるらしいんですが、乾いた肺を潤し、咳や痰なども止める効果があるらしいです。さらに利尿作用、鎮痛作用などもあり、生理痛にも効くそうです。
ぜひ機会があれば作ってみてください。
それでは!