シンガポール漂流生活

シンガポール在住歴12年、日本語教えたり、絵描いたりして、なんとなく生きてます。

自分の度量の狭さを1日に2回も実感した日

一週間前くらいですが、ある2つの出来事から、自分を見つめ直しました。

 

ある平日の朝に、いつも通り朝7時くらいに近所の公園に行って一人で散歩をしていました。すると後ろから声をかけられ、振り向くとターバンをまいた髭もじゃもじゃのインド人の青年がいました。

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彼とは数ヶ月前に一度この公園で会ったことがあります。

彼は去年の10月くらいに、インドからはるばる、私の家の近くにあるシーク教寺院へ、楽器演奏者として送られてきたインド人です。(彼がそう言っていました)

彼は本当に純粋無垢なヤツで、私に声をかけてきたときも、自分のぽっこりとしたおなかを見せて「どうやったらこれをひっこめれますか?」と聞いてきました(笑)

そのときに10分ほどカタコトの英語で話をしたんですが、その彼が久しぶりに公園に現れ、また二人で数分他愛もない話をしました。

 

その時ちょうど、インドではコロナ患者が急激に増えてエライ事になっているとかニュースでやっており、FaceBookにはインド人を差別するような書き込みがたくさんあり、インド好きの私は自分が好きな物を穢されている気がして不快に思っていました。

 

そんな私が、彼とマスクなしで公園で話しているときに、「マスクをつけずに彼と話していて、大丈夫なのかな・・・」という気持ちが一瞬どこからか沸いてきたのを、私は見過ごせませんでした。

もちろん彼はもう半年以上前にインドからやってきたし、検査だって受けて入国したでしょうから、全く問題がないのは認識しています。それにも関わらず、彼がインド人というだけで、そんな反応をしてしまった自分に・・・わたしは・・・

情けなくて・・・

不甲斐なくて・・・・

 

なんていうことは一切なく、何も考えずに起きてしまった反応ですから、これはしょうがない事だと自分でも思います。

ただ自分もなかなか、あんなニュースや風潮に流されてしまう、単細胞なんだなと意外に思いました。

 

これが1つ。

 

そしてもう1つ。

 

その日の午前中に、私は一人でフェリーに乗って、Kusu島に行ってきました。

 

セントジョンズ島に初上陸 - シンガポール漂流生活

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平日だったのであまり人はおらず、一日かけて全部で30人くらいしか見なかったのですが、その中の4、5組は、今のコロナ規制の人数制限「2人」を超えていて、3人、4人、さらに6人グループなんて人達も見かけました。

クス島は警察や、チェックする人が来ないので、ルール違反のグループがけっこういるんですね。

 

しかし私は、この人数規制自体がさほど意味のない物だと思っているので(思想は個人の自由じゃないでしょうか)、誰がルール違反していようが知ったこっちゃない、と思っていたんですが・・・

なぜか彼らを見るたびに、「こいつら通報したろかな」「写真撮るふりでもしてビビらせたろかな」なんていう考えが一瞬頭に浮かんでくるのを、私はやはり見過ごせませんでした・・・。

俺はぜんぜん気にしないよ、と言いながら、しっかり気にしてどこか不快に思っている自分がいるのです。

 

そのあとゆっくり考えてみたんですが、やはりコロナ拡大がどうとかそんな事は全く気にしてないんです。ただ彼らがこっそりルール違反をしているという事を妬んでいたんではないかと思うんです。

自分はしっかりルールを守って我慢しているのに(もともと大人数が嫌いなだけ)、君たちだけそんな自由に振る舞って、楽しい思いしてズルいぞ!と。

 

 相変わらずの度量の狭さだなと思ったんですが、まぁ私に限らず人間なんてこの程度でしょうと思いました。

そしてそのとき、ふとミスチルの「光の射す方へ」という曲がフラッシュバックしてきました。なつかしー!

とくにこんな歌詞が

 

夕食に誘った女の笑顔が下品で 酔いばかり回った
身振り手振りが大袈裟で 東洋人の顔して西洋人のふりしてる
ストッキングを取ってすっぽんぽんにしちゃえば 同じもんがついてんだ
面倒臭くなって送るのもよして 独りきり情熱を振り回すバッティングセンター
 
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ミスチルってよく

かっこつけてるけど人間てこんなに弱くて汚いもんだぜー ベイベー

みたいな事を歌ってますよね。

あと 友人の彼女奪い取って俺は最低なやつだぜー ベイベー

みたいなのも。

そういや夏目漱石の「こころ」もそんな話だったような。

 
わたくし最近、日本にいた頃と比べて、ずいぶん性格がひん曲がって、攻撃的になったなーとよく思います。
日本に、とくに東京にいたときは「仏のヤンピン」と呼ばれていたような。(うる覚えです)
それが今となっちゃあまるで、キリストに鞭打ってゴルゴダの丘まで歩かせるローマ兵のような男になってしまいましたから。

 

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しかし一つだけ不思議な事があるんです。
それは、あの仏のようだったときを振り返っても、あまり幸せだったとは思えず、むしろ性格がひん曲がってしまった今のほうが、いくらか良い人生になったなーと思えるのです。
なんなんでしょうこれは。世の中は嫌なヤツのほうが幸せだとか、そんな事を言いたいわけじゃあございません。ただ何なんだろうと未だに考えていますが、腑に落ちる答えはまだ見つかりません。
見つかったらまたここに書こうと思いますが。
(ちらしの裏にでも書いとけ!)
 
今回もあまりまとまりがない感じに満足しつつ、筆を置きたいと思います。
チーーーン
 
 
 

 

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