シンガポール漂流生活

シンガポール在住歴12年、日本語教えたり、絵描いたりして、なんとなく生きてます。

きみが生まれてきたカタツムリの話をしよう

シンガポールではもう一ヶ月以上も、よーく雨が振っています。

こちらは南国なのでザーーーっと振ってピタッと止まってカラッと晴れるんですが

3日に1回は、半日くらいどんよりしてる日がある感じです。

これは雨期ですよね。

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昔はシンガポールの雨期は12月頃。

一年にその一回だけ、と言われてましたが、ここ数年、その時期以外にも、これ雨期じゃねえ?と思うくらいよく降り続く時期があります。

しかしシンガポール人に、これって新しい雨期じゃないですか?なんて言っても、うやむやにされます。

なぜ認めない。なぜこれが新しい雨期だと認めないんだ。おまえらは新しい雨期を認めるのが怖いのか。怖いなら怖いと言え。コワイコワイと言いながら三遍回ってワァラオエと言え。

 

昔は自転車に毎日乗ってたんで、雨がウザいなぁと思ってましたが、最近は大好きです。それというのも、マレーシアに家を借り始め、植物を育てるようになってからです。雨が降ると植物がグングン成長するんですよ。

 

それからは、雨は人にはあまり喜ばれないけれども、自然界には喜ばれてるんじゃないか、ええじゃないか、ええじゃないか。

雨が降ると植物や(一部の)動物がすごく喜んでいるように思えて、私も嬉しくなるんです。

あっ、関係ないんですが、今書いててふとコレを思い出しました。

 

泣ぐなわらしこ。

おめえの泣ぐの見れば、おらも泣ぎたぐなる

 

「八郎」ですね。知ってますか?

 

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昔、秋田に八郎という名の山男が住んでいました。八郎は樫の木ほどもある大男でしたが、もっともっと大きくなりたいと願い、どんどん大きく育ち、山ほども大きくなりました。
ある日八郎は、村の田んぼが荒れた海に飲み込まれるのを必死で防いでいる村人たちを助けようと、渾身の力で山を動かし、海の中に放り込んで、海の水を堰きとめます。
村の百姓たちが喜び感謝したのも束の間、怒り狂った海が沖の水まで集めて津波となって村に押し寄せてきます。
八郎は村を守るために海に入り、自らが堰となって波を食い止めます。
波と闘い、海に沈みながら、八郎はなぜ自分がこれまで大きくなりたかったのかを悟ります。

どんどん大きくなりながらも、もっと大きくなりたくて、浜に出ては海に向かって叫んでいた八郎。
しかし自分でも、なぜ自分が大きくなりたいと思うのかがわからなかったのです。
村の人たちを助けたい、泣いてる子どもの力になりたい、そのために海に沈んでいく八郎。
自分の生まれてきた意味を知った八郎の表情はすがすがしく、その叫びは私たちの胸の奥に響きます。
「わかったあ! おらが、なしていままで、おっきくおっきくなりたかったか!
おらは、こうしておっきくおっきくなって、こうして、みんなのためになりたかったなだ、んでねが、わらしこ!」

 

自分は何のために生まれてきたのか、それを悟った八郎。

さて、あなたはなんのために生まれてきたんですか?

 

 

見事に話がそれてしまいました。

雨が降ると自然界が活き活きしだすという話をしていましたね。

 

それでね、シンガポールでは毎日雨が降っていて、公園でジョギングしてると、せまいジョギングコースを這っているカタツムリをたくさん見かけるんです。

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それで踏みつぶされてるのもけっこういるんですが、その踏みつぶされて粉々のグチャグチャになったカタツムリの死骸に、覆い被さっている別のカタツムリをよく見るんです。

最初は、えっ、なにやってんの!お前も踏みつぶされんぞ!死にてえのかてめえ!命を無駄にするな!それは勇気とは言わない!などと勝手な事を言いながら、そのカタツムリを取って、遠くに放り投げるというおせっかいな事をやっていました。

 

しかしそのうち、ふと気づきました。覆い被さって何やってるんだろう。

もしかして、友人の死を悲しんでいるのか、はたまた潰されたのは自分のつれあいだったのか。もし弔いをしていたのなら、随分と余計な事をしてしまったなと。

いや待てよ、もしかしたら弔いではなく、共食いしていたんじゃ?えっ、カタツムリって共食いするの? ヤダー、なにそれー、サイアクー、知らんけどー

などと自分も混乱してしまいました。

 

そしてさきほど、それをふと思い出してネットで調べてみたところ、どうやら共食いというか、他のカタツムリの殻を食べる習性があるのだとという情報を見つけました。

殻を食べてカルシウムを接種して自分の殻をさらに大きくするんですって。

 

↓ カタツムリに興味がある方だけご覧ください

かたつむりの交尾

 

はいこれでだいぶスッキリしましたけど、でも私が見たのは死体に覆い被さっているというケースですから、まだ弔いの可能性を捨て切るには時期尚早ではないでしょうか。

引き続き観察してみたいと思います。

 

ちなみに私が上記で話したカタツムリは、日本でもよく見る普通のカタツムリですが、シンガポールで一番よく見るカタツムリは、アフリカマイマイという名前の以下の巨大なカタツムリです。

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もう一つちなみに、この生物の呼び方は地域によって実に様々で「デンデンムシ(デデムシ)」「マイマイ」「カタツムリ」「ツブリ」「ナメクジ」などがあるそうです。

私の地元北海道では、もちろんカタツムリです。

 

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