シンガポール漂流生活

シンガポール在住歴12年、日本語教えたり、絵描いたりして、なんとなく生きてます。

インドのバラナシに行ってきた その5

その4はこちら

yangpingsan.hatenablog.com

 

 

インドに古来から伝わる模範的な生き方 四住期

 

BABAゲストハウスには日本の本がたくさん置いてあると以前書きましたが、私は一日の半分を市内散策、もう半分は読書昼寝にあてました。

小説や旅行本、それとインドに関する本を5、6冊読みましたが、その中で一つ心に残っているものがあります。

 

あろうことか本のタイトルは失念してしまったんですが、それは日本語が堪能なインド人に書かれたインドについての本でした。彼はインド人として、自分の国についてインド人の観点から色んな事を書いていたのですが、その本の中でインドに古来から伝わる模範的な生き方四住期(しじゅうき)について書いていました。

 

四住期とは、人生を四つの期間に分けて、それぞれの時期の模範的な過ごし方の事をいいます。たとえば人生を100歳まで生きると考えるならば、0〜25歳、25歳〜50歳、50歳〜75歳、75歳〜100歳というように4つに分けます。80歳までの人生なら20年の間隔ですね。

ネットにも色々書いてあるのですが、このインド人の作者の方が書いていたのは、おおよそこんな感じでした。

 

0〜25歳 学生期(がくしょうき)

親の庇護のもと、勉学に集中して、将来、社会に貢献できるような知恵や技術を身につける。

 

25〜50歳 家住期(かじゅうき)

社会に出て一生懸命仕事をし、結婚もして家庭を持ち、子供を育てながら。家の大黒柱となり親の面倒もみる。

 

50〜75歳 林住期(りんじゅうき)

仕事を引退し、家にはいるが家長としての権利は子供に譲る。好きなことをして、心穏やかに過ごす。

 

75〜100歳 遊行期(ゆぎょうき)

家族に別れを告げ、家を出て一人巡礼の旅に出る。もう死ぬまで家に戻ることはなく、各地を巡りながら瞑想や礼拝をしたりして過ごし、残りの人生を神への信仰に捧げる。

 

どうでしょう。。。壮絶ではないですか最後の遊行期!生きているうちに家族や愛する人と今生の別れをし、一人さすらいの巡礼の旅に出る。私はこれを読んだときにバチコーーン!と頭を殴られたような衝撃を受けました。

 

もちろん今のインド人のほとんどが、この四住期を本当に実行するとは思いませんし、大半がまだ家族に見守られて死にたいと思っていると予想しますが、あなた様もしかして遊行期をしていらっしゃるのですか!?と思われる老人をインドではよく目にします。とくにここバラナシで。

そしてインドには各地に、巡礼者に無料で食事と宿を提供する場所がたくさんあるそうなので、やろうと思えば誰でもできるらしいです。お釈迦様の人生もほぼこれにあたりますし。

遊行期に入ろうという方がいたら、ぜひ私に御一報ください。少ないですが餞別をさしあげます。

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暇をもてあました旅行者の遊び

 

旅行6日目、一人旅のNさんとの出会い以来、日本人とは誰とも話していませんでした。他の旅行者の話しをまた聞きたいなぁと思っていると、ピコーンと私に一つの考えが思い浮かびました。

そしてさっそくホテルを出て、ゴドウリヤ交差点からサイクルリキシャーをつかまえました。サイクルリキシャーとは3輪自転車タクシーのことで下の写真のようなやつです。

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リキシャーというのは、日本の人力車が由来で、西のカルカッタに行くと、いまだ本当の人力車が見られます。

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料金は浅草で観光客が乗るものと比べたら100分の1くらいだと思います。しかも大半が若い人ではなく、よぼよぼのおじいさんとかが必死の形相で引っ張ってくれるので、心が痛みます。

 

 

そして私がサイクルリキシャーに乗って向かった所は、バラナシ駅でした。

 

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私は今回、飛行機に乗ってここバラナシへ来ましたが、バラナシを訪れる外国人旅行者は大半が電車に乗ってここバラナシ駅へ到着します。そしてここを去るときもここバラナシ駅から電車に乗って各地へ向かうのです。

 

駅の構内に入ってみましたが、あいかわらずすごい人の数で、電車を待っている人達なのか、床にもたくさんの人が寝転がったり、座ったりしています。

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インドの電車の遅延は有名で、長いときで20時間も電車が遅れてくるのだとか。

 

電車の切符を買うカウンターも、ものすごい人が並んでいるのですが、実は外国人はここにインド人といっしょに並ぶ必要はありません。

大きい街ならたいていあるのですが、ここバラナシでも外国人専用のオフィスがあって、外国人はそこで切符を買ったりできるのです。

 

そして私がバラナシ駅に来た目的は、その外国人用オフィスにいるであろう日本人に話しかけて友達になろうという事でした。これは斬新ですよ。どんだけ人恋しいのよ自分。

 

さっそく行ってみると、なんとも大きな部屋に大きなソファがいくつも並べられており、しかも室内はエアコンがきいていて涼しく快適です。さらにテレビやお手洗いまで併設されていました。私が10年前ここに来たときは、たしか8畳くらいの簡素な一室だったと思いますが。

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この大きい広間の隣にチケットカウンターがあるんですが、カウンターの中にはインド人のおばさんのスタッフが二人いて、一人がPCの前に座り、カウンターに座った外国人に接客していました。

そしてカウンターの前にもソファーがあり、数人の外国人が座っていたんですが、そこに一人アジア系の青年が座っていました。むこうも私をチラチラと見ています。私は思い切って話しかけてみると、やはり日本人でした。

彼 T君 は都内の某有名大学の大学生で、今は大学の夏休みを利用して、インド各地を周る一人旅をしているとのことでした。

これから電車でブッダガヤに行く予定だが、その電車がもう10時間以上遅れていて、もう少し時間がかかりそうなので、そのあとの移動のチケットも買ってしまおうと思い、自分の順番を待っているのだとか。

 

そしてちょうど彼の順番が回ってきたので、私もちゃっかり一緒にカウンターに行き、チケットの購入を手伝いました(ひやかしただけ)。カウンターのおばさんに、ところでお前は誰なんだと聞かれ、私は日本人を助けてインド中を歩いているんだと言っておきました。

 

T君は無事にチケットを購入し、ブッダガヤ行きの電車まではもう2時間くらいあるということで、二人で駅前にある小汚いレストランで何か食べる事にしました。

 

カレーとナンを食べながらT君の今回の旅行について、もっと詳しく聞いてみました。

T君はここに来る前は、インド北部のマナリという山の上の避暑地に行ったそうです。そこには大麻がそこら中に生えていて、イスラエル人の若者がたくさん長期滞在しており、毎日朝から晩までマリワナを吸っているそうです。T君もマリワナやLSDをちょっと試してみたのだとか。

そしてここからの旅ですが、バラナシには一日滞在しただけで、これからブッダガヤに行き一泊してまた戻ってきて、それからネパールにバスで移動して、カトマンズまで行き一泊して、そこから飛行機でデリーに飛ぶのだとか。弾丸すぎます。若いってタフだなぁと思いました。今の私なら旅費を出してもらっても断ると思います。

 

楽しいおしゃべりの時間はあっというまにすぎ、T君とはLINEを交換して、レストランの前で別れ、私は乗り合いオートリクシャーで帰りました。後部座席は女性ばかりだったので、運転席隣に乗せてもらいました。

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