先日急にアサリの酒蒸しを作ってみたくなり、スーパーに行ったんですが、これがアサリだなという確証もなく、ある見慣れた貝を買ってきたところ、ぜんぜんアサリではなくLaLaという東南アジアでよく取れる貝でした。日本の貝に比べて身が小さいとか聞きますね。
実は貝を自分で買ったのが生まれて初めてで、調理のし方はもとより、下ごしらえのし方も知らなかったんですが、砂を吐かせるというのは以前聞いたことがあったので、なんとなくボウルに水を入れて、その中に入れておきました。
5分後に本当にこれでいいのかなと心配になり、ネットで調べてみると「水に深く浸っていると、酸欠で死んでしまう」とか書いているじゃあありませんか!台所へ走り、すぐに貝をザルへあけました。
危なく海産物を溺死させるところでした。こんなことってあるのね。
まぁそのあと無事に砂抜きらしき事もして、LaLaの酒蒸しを作ってみましたが、これがまた美味い!たしかに身は小ぶりですが、東南アジアはこんなもんでしょう。
食べてるときに、これは絶対白ワインだなと思い、冷蔵庫から冷えた白ワインをだし、昼の12時から飲んでしまいましたが、残りが少なかったのですぐになくなってしまいました。
他に合いそうなのはないかなと探すと、半年前に作ったタピオカ酒があったので冷やして飲んでみると、これもなかなか合う!見た感じもそうですが、味も自家製酒の中では白ワインに一番近いです。
酔っ払いながら、タピオカ酒の素晴らしさを再度実感し、久しぶりにまた新しいのを仕込もうと誓いました。
ここまでが前置きです。ロングでソーリー
翌日、さっそく市場へ行き、タピオカ、というか「木薯(中国語でムーシュウ)」いわゆる「キャッサバ」を買ってきました。
タピオカ酒というのは、わかりやすく言っているだけで、こちらでは「木薯酒(ムーシュウチウ)」という名で呼ばれています。と言ってもシンガポールでこれを知ってる人にはまだ出会った事がないですが。
私はマレーシア人に作り方を教えてもらいました。
ということで、木薯酒の作り方を紹介したいと思うんですが、その前に木薯のほかにもう一つ揃えなければいけない物があります。それは「酒餅(チウピン)」といって、木薯を発酵させる酵母です。
これは中国系の、漢方薬や乾物を扱っている葯材店で売っています。前は市場の乾物屋でも買えたのですが、葯材店のほうが間違いありません。
英語で「Do you have チウピン? I want to make wine by myself.」と言えばわかってもらえるでしょう。「How many?」と聞かれるので、「Just one」と言ってください。1個だいたい80セントくらいです。
酒餅をゲットしたら、仕込み開始です。アムロ行きます!
まずは木薯の皮を剥いて、2,3cm角に小さく切ります。
それを蒸し器に入れて、竹串がスッと刺さるくらいまで蒸します。
よく蒸したら、人肌まで冷まします。
冷ましている間に、酒餅一個を臼などで砕いて粉にします。
人肌まで冷めた木薯に、砕いた粉をかけて混ぜ、木薯に粉をまんべんなく付着させます。
粉をまぶした木薯を、容器に入れて、布と輪ゴムなどで蓋をします。発酵に空気が必要なためです。蓋をしないと発酵臭に誘われてコバエがたくさん寄ってきます。
容器を30~40度くらいの室温で、3日間置いておきます。
すると容器から発酵した匂いがしてきます。
シンガポールのような南国でも連日天気が悪いと、あまりよく発酵してくれません。そんなとき私は、容器のとなりに熱いお湯が入ったペットボトルなどを置いて、発泡スチロールの箱に一緒に入れて上からバスタオルをかけたりします。
このように温度調整が一番手間がかかります。
よく発酵したようなら、その中に並々と水を入れて、蓋を閉めます。
もしも発酵がいまいちな気がしたら、ドライイーストをほんのちょっと(小さじ4分の1くらい)入れてください。
これで仕込み終了です。
あとは一か月くらい経ったら、中の木薯を濾して取り除き、完成です。飲んでみて、まだいまいちかなと思ったら、さらに一か月でも半年でも置いといてください。木薯酒も他の酒と同様、時間が経つと味が少しずつ落ち着いて美味しくなるはずです。
アルコール度数を上げたいときは、砂糖を100gくらい入れてみてください。
以上、木薯酒の作り方でした。
シンガポールはお酒が高いですし、物価もどんどん上がってますから、自分で作れるものはお金をかけずに安く作っちゃいましょー
もし記事が面白かったら、下のバナーをクリックお願いします~