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怖い体験 バンコク/パッポン通り(前編) - シンガポール漂流生活
しばらくすると突然ステージからみんな降り、ステージには一人の裸のオバさんだけが残っています。
彼女の手にはなぜかラッパが握られています。そしておもむろに、自分のデリケート部分にそのラッパを突っ込むと、ラッパからパフ、パフ、パフと、ヤル気のない音が出ました・・・。
私はそれを見ながら、深く深く後悔しました。
嗚呼・・・こんな所へ来るべきじゃなかったと。
しかし奥さんの方を見ると、なぜか笑顔で拍手しています・・。
そして唯一の他の客、巨漢のオジさんも、真剣な顔で拍手しています。
これではまるで、私だけがノリの悪い客みたいなので、私もしぶしぶ拍手をしました。
それを受けた全裸のオバさんが、満面の笑みでステージを降り、私たちのほうへコーラの入ったグラスを持って駆け寄って来て、おごってくれるでしょ?と、とびっきりのカワイイ笑顔で言ってきました。
もう一度言いますが、このオバさんは全裸です。
そしてグラスを持っている反対の手には、まだラッパ(挿入済み)が握られています。
100バーツ!100バーツ!*1と言っているので、奥さんの了解を得て、しょうがなく一杯だけ奢ってあげることにしました。
オバさんは大喜びでケツをプリプリさせながら、カウンターの方に去っていきました。
それからもショーは続きます。
次はもう一人の全裸のオバさんが、タバコを吸いながらステージに上がってきました。
おいおいオバさん仕事中でしょ(苦笑)と思っていたのですが、実はそれがオバさんの仕事道具。
そのオバさんも自分のアソコにタバコを突っ込み、器用にタバコを吸い始めました。火のついたタバコが赤くなったり、かすかに煙が出たりを繰り返します・・・。
どうリアクションしていいのかわからず、困った顔で奥さんを見ると、奥さんは真剣な表情で「なにかのテレビで見たけど、これができるようになるには、相当な訓練が必要なのよ!彼女は本当にすごい!」などと言って感動していました。
いったいなんのテレビで見たというのでしょうか。
オバさんのタバコはものの1分ほどで半分の長さになり、やっとアソコからタバコを抜いたオバさんは、そのタバコを私に向けて、吸うか?というジェスチャー。
ぜっっったい吸わねー。
タバコのオバさんのパフォーマンスが続く中、またさっきのラッパのオバさんが私の方に駆け寄ってきました。もちろん全裸です。
今度は小さい紙を渡され、ここにおまえの名前を書けと言われます。
ものすっっっごくイヤな予感がしたのですが、断る理由もないのでしかたなく自分の本名を書いて渡しました。
ここでは仮に、アルファベットでYANGPINGとしましょう。
ステージ上では、まださきほどのオバさんがいて、さっきのタバコを自分で吸いながら(吸うな!)私に、あたしにもジュースを奢れとジェスチャーしていますが、これは無視しました。
タバコのオバさんが舌打ちしながらステージを降りると、またラッパのオバさんがステージに上がってきましたが、手にはA4サイズの白い紙と、青いペンを持っています。
何をするのかと固唾をのんで見ていると、その青いペンを自分のアソコにご挿入になり、床に紙を置いて、うんこ座りの体勢で腰をくねらせ、アソコに挟んだ青いペンで、紙の上に何か書き始めました・・・。
そうです。
その白い紙には青い字で
HELLO YANGPING♥︎
と、私が親にもらった大事な名前が書いてありました。
オバさんは立ち上がって、紙を私に向けてウィンクをしてくれました。
私はこのときいったいどんな顔をしていたのでしょうか。正直このときの記憶があまりありません。
そのあとも裸のオバさんらが交互にステージに上がり、色んな芸を披露してくれました。
アソコに吹き矢を仕込み、遠くの風船を割ったり、アソコから3mくらいの長さの布を、スルリスルリと出してみたり。
ピンポン玉を飛ばす芸では、ポンッ!!という大きな音と共に、こちらに向かって2mくらいの距離を飛ばしてくるのですが、玉をステージに返してあげるためにそのピンポン玉を触ると、なんか玉がしっとりと濡れているんです・・・。
結局そのあとにもう一人のオバさんの方にも、ジュースを一杯だけ奢ってあげるんですが、そんな拷問ともいえる時間がかれこれ3、40分も続きましたでしょうか。
私も本当に疲れまして、もう充分だろう、帰ろう、気が狂いそうだと言って、ようやくチェックをお願いしました。
すると、私をこの店に連れて来たオバさんが、こっちに来いとカウンターの方に私を呼ぶので、なんかイヤな予感がするなぁと思いながら行ってみると、はいその通りです。
レジの上には小さい紙があり、そこには3100バーツ (10000円ちょっと)と書かれていました。
なるほど、よく考えるとたしかにビールを頼んだときにも、メニューは見せてもらえませんでした。
内訳はよくわかりませんでしたが、とにかくボッタクられようとしているという事がわかりました。
私は
こんなのダメだよー、高い高い!警察に電話するよー
と言うと
オバさんはどうぞどうぞ電話でもなんでもしたらいいじゃないみたいな態度で、他のオバさんスタッフも集まってきて、大声で払え払え!と怒鳴り始めました。
後ろを見ると、この騒動に気づいた巨漢のオジさんも、店を出ようとして違う店員ともめ始めました。
わたしは、いいぞいいぞ!やれやれ!と思っていたら、オジさんは金も払わずに、店を飛び出して逃げ去ってしまいました・・・。
金を払わないのはマズいんじゃないですかオジさん・・・と思いながらも、じゃあ私たちはどうしようかと考えました。
そして怒鳴っているうるさいオバさんは無視して、奥さんに「一人で外に出て行って待っているように」と耳打ちしました。
そして無理矢理店のドアを開けて、まずは奥さんを外へ出しました。
それからまたカウンターへ戻り、ペンを借りて紙に正しい内訳を書きました。
ビール✖️2 = 100B
ジュース✖️2 = 200B
そして、どう考えてもこれで 300B だろと主張しました。
オバさんはもちろん、ダメダメ 3,000B だよと言ってききません。
話は平行線をたどるばかりですが、しかしよく考えてみると、周りはオバさんばっかりで、ヤクザみたいな強面の男は出てこないんだな〜と、ちょっと安心しました。
そして一人のオバさんが、じゃあ今いくら持ってるんだいと妥協してきたので、またちょっと安心。
そこで調子にのった私は思い切って
さっき奥さんが外に出て行ったけど、あれは警察を呼びに行ったので、もう少ししたら奥さんが警察連れてここに来るからね
と言ってみました。
すると急にオバさんたちの顔色が変わり、ものすごい形相で
さっさと金払えこの糞ボケェェエエ!!
300B払ってさっさと帰れぇぇええ!!
とみんなで一斉に怒鳴ってきました。
私は、いいや、警察が来るまで私はここで待ちます、と言うと
おまえはキチガイか!!
300Bでいいって言ってんだ!
さっさと払って帰れキチガイ!!
と怒鳴られたので、これはラッキーだと思い、財布を開けて金を払おうとすると、なんとそこには小さい紙幣がなく、1000B紙幣しか入っていません。
ヤバい!これは全部取られてしまうんじゃ・・・。と思った瞬間、オバさんは私の手からその1000Bをひったくりました。
しまったぁぁぁあああ!!
と思ったんですが、オバさんはちゃんとレジから700Bを出して、私におつりをよこしました。
そして私が玄関を出て行くまで、後ろから、ファック!!!死ね!!早く帰れ!!!キチガイ日本人!!!と罵声を背中に浴び続けましたが、ようやく店の外に出ることができました。
外では奥さんが心配そうに私を待っていました。
私たちは疲労しきっており、もちろんレディーボーイの店に行く気力も動機も失っており、すぐにタクシーに乗って無事にパッポン通りを脱出しました。
タクシーの中で、私は疲労しきった顔で奥さんに向かって「キミは女なのにボッタクリにあうなんて、ほんとうにラッキーだよ」と捨て台詞を吐きました。
私は疲れ過ぎて放心状態で、もしかしたらアレは夢だったんじゃないかと少し思いましたが、そのとき右手にしっかりと握られている白い紙に気づきました。
その紙を開くと、そこにはハッキリと
HELLO YANGPING♥︎ と書かれていました。
やはりアレは夢ではなかったのです・・・。
みなさん、GO GO BARは夜7時以降に行きましょう。
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*1:当時のレートで100バーツは、340円ほど