前回のお話
バングラデシュ旅行記9 チッタゴンに到着 - シンガポール漂流生活
11/24(日)
朝4時頃に目が覚める。吐き気がする。
ゲップをすると、なにかが醗酵したような臭いがした。ヤバいと思った。
10年前くらいにインドで食中毒になったのを思い出す。あのときはインド料理がまったく食べられず、2週間くらいバナナを食べ続けた。
今回はバングラ料理食べられるかなと想像したら、案の定吐き気がした。悪夢再びの予感。
とりあえず朝ご飯のキャンセルをしなきゃと思って、スタッフが目を覚ましそうな7時にアラームをかけておいた。こんな時にカレーなんて部屋に持ってこられたら吐いてしまう。なんとか寝ようとするが、気持ち悪い。
6時頃にトイレに行ったら下痢だった。
7時くらいにレセプションに行って、気持悪いから朝ご飯は要らないと告げた。
ひたすら横になり続けたが、ゲップが頻繁に出るようになる。
ゲロを吐いてすっきりしようと思うが、自ら指を突っ込むやり方は、久しくやってないので抵抗がある。水を飲んで促そうとするが、今度はお腹が気持悪くなる。しょうがないので覚悟を決め、便器にかがみ込み、のどちんこを指でいじくり、ついに出るかと思いきや、ォォオオオオという悲惨な呻き声だけで何も出て来ない。さらに指を突っ込み、今度は涙と一緒に多少の吐瀉物がでてきた。苦しい。
その後も時間をかけて2、3回やってみたが、たいしたものは出て来なかった。
それでもとりあえず胸はいくらかすっきりした。しかしまだ頭が重く、寝ていても体が痛い。なんども寝相を変えるがそれでも体が痛い。
昼の12時になった。なにも食べてないので力が出ない。ベッドから起き上がれず、天井を見つめ、餓死していく人ってこんな気持ちなのかなと思った。
このままじゃほんとに死ぬと思い、果物と薬を買いに行こうと思った。
ガイドブックで読んだが、バングラデシュでは下痢をする人が多く、その下痢で失ったカリウムとナトリウムを補給する、Osaline(オーセライン)というのがあちこちで売ってるらしい。
外に出てみると、あいかわらず眩しいくらいの喧噪。俺はなんていう所にいるんだと立ち眩むような思いがした。
ゆっくり歩いて、まずは薬屋を見つけたのでオーセラインを3袋買った。1袋5TK。
思ったよりも大きく、中身がずっしりと感じられる。
そのあと果物を売っているのを見つけ、葡萄とオレンジとバナナも買った。果物は紙の袋に入れてくれた。全部で200TK(250円)くらいだった。
部屋に戻り、オーセラインをコップに入れた水に溶かし飲む。塩水みたいにしょっぱい。ナトリウムだからしょうがないのだろう。
葡萄は、皮が土埃で汚れてると思ったので、一つ一つ丁重に皮を剥いて食べた。時間がかかったが、ありがたみが感じられる食べ方で、とても美味しかった。
下痢は止まらないが、とりあえず腹になにか入って少し元気が出た。
しかし依然として体中が痛く、寝ていても落ちつかない。途中から寒気もしてきて、これは風邪の症状だなと思った。汗でもかけるとデトックスできていいんだけど、そんな環境はここにはない。
思うに、バングラデシュは意外と思っていたよりも寒かった事と、昨日の予想外の長距離移動などが重なって、体の免疫が弱っており、その空きっ腹に脂っこいカリーを食べて、色んな物が一気に発症したのではないか、そんな事を思った。
ずっと部屋にこもり、スマホをいじったり、本を読んだりして休んでいたが、午後4時頃に容態が悪くなってきたので、最後のパナドール(強力風邪薬)を飲んだ。
夜6時頃には体が楽になってきて、起き上がれるようになった。
依然として下痢は続く。
部屋に一日中いると、モスクからのアザーン(礼拝時間にモスクから大音量で流れてくるお祈りみたいなもの)が何度も聞こえてくる。
どこのホテルも部屋に騒音が入ってくるのは、このアザーンが部屋にいても聞こえるように、わざとそういう造りにしているのではないか、という推測もしてみた。
やっと少し元気になり、部屋の中を少し整頓したり、日記等を書いてみた。
夜になると蚊が増えてきた。しかもとてもアグレッシブな蚊で、ガンガン襲ってくる。どこから入ってくるのかわからないが、殺しても殺してもやってくる。
靴下もはいていて、長ズボン長袖なので、守るのは顔と手だけで良いのだが、一度トイレで用をたしているときにお尻を刺された。
10分おきくらいに便意を催しトイレへGO。体から水分がなくならないか心配になるが、また水を飲んでも下痢を助長しそうで、水は飲まなかった。
幸いな事に、私はティッシュなどを使わないインド式お尻洗い(水と左手だけでウンコをふくやつ)ができるので、下痢の時には非常に役に立つ。もし手で洗えなかったら、トイレットペーパーでふくことになるが、こんなに何十回もいちいち紙でふいてたら、お尻が傷ついてしまう。
夜11時近くになり、さっさと眠りたかったが、まだ便意は続いていたので、寝てしまってパンツにもらしたら大変だと思ったので、便意が完全に治まるまで起きていようと思った。
しかし知らないうちに寝てしまい、気がついたらアザーンが聞こえてきて、朝4時になった事を知った。ウンコはもらしていない。
しかし蚊が依然としてたくさんいるので、シーツを頭にかぶり、それでは暑いのでファンを回して寝た。蚊はシーツの中にまで入ってきて、眉間を刺された。
つづくよ
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