その6はこちら
有名な安宿、久美子ハウスに泊まってみた
サールナートに一泊して、またバラナシに帰ってきました。
そしてあと2泊したらようやく帰国ということで、もう2泊はまた無難に泊まり慣れたBABAゲストハウスかな〜、と思いましたが、ここで最後に一つチャレンジをしてみようと思いました。
それは、久美子ハウスに泊まってみるという事でした。
バラナシを知らない人には全くわからないと思いますが、久美子ハウスというのは1982年頃に久美子さんという日本人の女性が、バラナシのガンジス川沿いにオープンさせた安宿です。
ここはガイドブックはもちろん、Wikipedia にも載っています。
そしてあのJOJOの奇妙な冒険にも名前だけですが登場したことがあります。
荒木先生も行ったことがあるのでしょうか?
今までここに泊まったことがない理由は、あまり清潔そうではないのと、日本人がたくさん集まる宿があまり好きではないからです。かと言って欧米人が多いところはもっと嫌いなんですが。
しかし今回はせっかくなので見るだけ見てみようと思い、サールナートから帰った足で、バックパックを背負って行ってみました。
場所はとても入り組んだ路地の奥の奥にあり、野良犬がものすごくたくさんいました。
入口を開けて勝手に中に入ると、リビングの床に寝転がる女性と3匹の犬がいました。
もちろんこの方が久美子さんなんですが、私の勝手なイメージとは大違いで、優しそうで少しとぼけた人間臭いオバさんでした。
私が部屋空いてますかと聞くと、空いてる部屋の番号を教えてくれて、ちょっと自分で見てきてくれと言われました。リビングが2階で、個室が3階、ドミトリーが4階なんです。
私は3階の個室を2つ見ましたが、思ったより全然きれいでした。しかし共用トイレがちょっと年期が入り過ぎというか、ちょっと自分には無理かなと思いました。
そしてドミトリーもついでに覗きましたが、ここは絶対無理だなと思いました。10年前はこんな所にばっかり泊まっていましたが、もう最近はこのタイプのドミは無理です。
ドミトリーは、昔は日本人の滞在者で毎日満室だったようです。一泊たったの100Rp(150円)らしいですから。
どうしようかなと思って降りて行き、部屋の値段を聞いてみると「うぅぅぅぅぅぅぅんん・・・・400Rp!(600円)」と言わました。その悩んだ(ふり?)しぐさがなんか可愛かったので、一泊だけしてみることにしました。やっぱ女は愛嬌だなと思いました。
部屋はこんな感じです。すでに荷物をぶちまけてあるので、わかりにくいかもしれませんが、ベランダに通じるドアと窓があり、とても開放的です。清潔で、蚊も南京虫も全くいませんでした。
ベランダからはガンジス河が一望できます。金網が貼ってあるのは猿が入ってこないようにするためです。
私がチェックインしたとき、建物の中に他のゲストの姿は見えませんでしたが、夜にドミトリーへなにか本を探しに行くと、Youtubeに夢中なインド人が一人と、日本人のおじさんが一人いました。
おじさんはなかなか挙動不審で、常に目が泳いでいましたが、とても礼儀正しい方でした。三重県から会社の休日を利用しての一人旅で来られたそうです。節約のためにここで2泊くらいして、それからカルカッタに行くのだとか。一人旅は最近始めたが、船の乗組員の仕事をしていて、パラオにはよく行くのだとか。
お話もそこそこに、本棚から「十五少年漂流記」を取り、部屋に戻って読みながら寝てしまいました。
次の日の朝8時頃、ベッドの上でゴロゴロしていると、どこからかギターの音が聞こえてきました。随分上手なので、近くに音楽教室でもあるのかなと思って、ずっと聞いていました。
20分くらいたって、演奏にあわせて歌い始めたかと思うと、日本語でした。なんだ日本人かと思ってさらに聞いていましたが、さらに10分くらいたって、私の隣の部屋から聞こえてくることに、ようやく気づきました・・・。
ドアを開けて廊下に出ると、そこの部屋のドアが開いていいました。部屋を覗くとそこには、クラシックギターを弾いている日本人男性が一人。私は彼に話しかけ、ずかずかと部屋に入り、演奏をしばし拝聴させていただきました。
30代半ばの男性で、聞けばなんと私と同じ北海道出身で、名前はHさんと言いました。Hさんは、ネパールでバイクを購入し、そこからシッキム地方(インド北東部)を経由してここまで走って来たらしく、バラナシに数日滞在したあとは、また南インドの方に走って行くんだとか。
シッキムの路上でギターを演奏したら2000Rp(3,000円)も集まったんだとか。インド人からそんなに集めるなんて並の芸ではできないと思うんですが、流石です。
ときどき外国の路上で、演奏、大道芸、似顔を描いたりして、お金を集めている人がいますが、けっこう羨ましいです。贅沢しなければ無一文でも旅を続けられますから。
そのあとHさんを無理に誘ってお昼ご飯に行ったり、街を散策したりしました。
道を歩いていると、インド人のおじさんに話しかけられ、私は無視したんですが、Hさんが捕まり、勝手に祈りを捧げられていました。これはお金を請求されるパターンだなと思って、どうするんだろうと、苦笑しながらじっとオジさんの祈りを聞いているHさんを、傍らで見守っていました。案の定最後にお金を請求されましたが、Hさんは屈託のない笑顔で根気づよく断って断って、結局おじさんが根負けして去って行きました。
こういう断り方は始めて見たので、少し感心しました。私だったら、怒ったり不機嫌さを出して断ったと思います。やっぱ男も愛嬌だなと思いました。
結局私はこの久美子ハウスでは一泊しかせず、最終夜はまたBABAゲストハウスに泊まりましたが、未だに久美子ハウスには比較的一風変わった人達が泊まりに来続けているようです。
バラナシの食事
バラナシには長期滞在者が比較的多いと聞きますが、その一つが色んな物を食べられることじゃないかなと、個人的に思います。
外国人のための店がたくさんあり、英語どころか世界各国の言葉を話す人がたくさんいて、外国人には非常に便利な街だと思います。
若干割高にはなりますが、そういった店では、インド料理の他にも、ピザやパスタ、日本料理、韓国料理、中国料理、あとはイスラエル料理や、地中海料理というのもよくメニューに載っていました。
でも私は外国料理はほぼ食べず、インド料理ばかり食べていましたが、とくにほぼ毎日食べたのはターリーです。
ターリーとは、大きい皿の上にのご飯やナン、カレー、ヨーグルト、ピクルスなどがのっている定食みたいな、インドの代表的な料理です。南インドではよく、大皿の代わりに大きなバナナの葉っぱを使います。
安いので80Rp(120円)、高いのは300Rp(450円)くらいのもあります。
どこで食べてもだいたい美味しいです、私は。
バランスよく色々乗ってるのが、健康にも良さそうですし。
ちなみにこれらは全部ベジタリアン料理で、肉は入っていません。肉が入ってるのも、もちろんありますが、私はインドにいるときは肉はまったく食べたくなりません。どうしてなんでしょうか。未だに謎です。それくらいインドのベジ料理は美味しいと、勝手に思ってます。
そしてターリーの次に毎日よく食べたり飲んだりしたのはラッシーです。もう最近は認知度もかなり上がって、聞いたことがない人もほぼいないと思いますが、いわゆるインドのヨーグルトです。
その昔「名犬ラッシー」という、コリー犬のアニメだか映画だかもありましたが、私はあれのおかげで、あの犬の事をラッシー犬だと思っていました。
ラッシーはレストランの飲み物メニューの中にもありますが、ラッシー屋というのがあるので、そこで気軽に飲めます。
バラナシで一番(外国人に)有名な店は、BLUE LASSI(ブルーラッシー)でしょう。
とても人気があり、いつも外国人で賑わっています。メニューが豊富だからでしょうか。
バナナベース、アップルベース、イチゴベースなど、フルーツラッシーが10種類くらいあり、さらにそこにトッピングもできて、お値段はだいたい80Rp(120円)です。
旅行中2回行きました。メニューを見ていると、スタッフのおやじが寄ってきて、オススメのラッシーを教えてくれるんですが
「バナナ・チョコレート、オイシカッタ」
「アップル・ミント、オイシカッタ」
「ブルーベリー・ココナッツ、オイシカッタ」
と、なぜかオイシイを過去形で言うので、それがツボに入り笑いが止まりませんでした。
私はザクロラッシーと、バナナ・ココナッツ・チョコラッシーを食べました。味はまぁ普通に、オイシカッタ。
店内には、いつから始まったんだかわかりませんが、旅行者が自分のパスポート写真を壁に貼っていくようで、ちょっとキモチワルカッタ。
そしてこの店は火葬場があるガートに近いので、店の前をかなり頻繁に、布にくるまった死体を運ぶ行列が通ります。ヨーグルトと死、深いテーマです。
しかし個人的には80Rpのラッシーはやはり高いと思います。本来とても庶民的な飲み物ですし、現地の人が利用しているお店は、トッピングなどない素のラッシーで、だいたい2、30Rpくらいですから。
ところでラッシーのおかげか、ベジタリアン料理のおかげかわかりませんが、バラナシにいる間中、恐ろしいくらい毎日快便でした。写真をお見せできないのが残念ですが、もうそのくらいにしておけよ!!と何度自分のお尻に向かって叫んだかわかりません。
便秘にお悩みの方は、ぜひバラナシ的食生活をお試しください。
あとがき
さて今回の旅行レポート、意外と書く事が色々あり、その7まで書いてしまいましたが、このへんで終わろうかなと思います。
インドが面白い国か面白くない国か、それは人の好みにもよるのでなんとも言えないですが、予期しない事が起こるということでは、今まで行った国の中で断トツでNo.1です。人生が思い通りにいきまくってつまらないという人は、インドはおすすめかもしれません。
私はまたすぐ行くつもりです。声が聞こえるのです。また来いよ〜というインドの神々の声が。
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