シンガポール漂流生活

シンガポール在住歴12年、日本語教えたり、絵描いたりして、なんとなく生きてます。

インドのバラナシに行ってきた その1

もう1週間以上ブログを更新していませんでしたが、ちょっとインドへ10日間ほど一人で旅行にいっていました。

インド訪問はこれが4回目になりますが、今回行ってきた所はバラナシベナレスという呼び方もある)という街です。

聞いたことがないという人がほとんどだと思います。私も、友人たちにどこに行ってきたの?と聞かれ、バラナシと答えても、知っている人はいませんでした。

しかしインドに興味を持っていて、一度でも旅行したことがある人は必ず知っている、とても有名な所です。

 

ちょっと古いですが「ジョジョの奇妙な冒険」という漫画でも、この街を舞台にしたエピソードがありました。

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この街の中心部にはあの有名なガンジス河が流れており、ヒンドゥー教の一大聖地として栄え、インド中から巡礼者や観光客が押し寄せる、インド最大の宗教都市なのであります。

 

私は一番最初のインド旅行の時に、この街に一度来たことがあります。あれは確か2008年でしたから、もう11年も前のことです。

あの時はジャイプルというインド南西部の街から、寝台列車に20時間乗って辿り着いたわけですが、今回はなんとマレーシアのクアラルンプールから直行便に乗って、4時間半でバラナシ空港へ着きました。

航空券は、Malindo Air(マレーシアの航空会社)で往復2万円ほどでした。

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インドと言えばめんどくさいのがビザの取得なんですが、2019年3月に大幅な改定があり、旅行者にとっては非常に便利になりました。昔は大使館に行って何日もマッタリ、じゃなくて待ったりしなければいけなかったのですが、新しくできたe-tourist VISAというのが、オンラインで申し込め、1年間何回でも出たり入ったりできるという素晴らしいビザ、これでたったの25USD。これは過去最高の条件だと思います。

詳しい事は、例えば以下のサイトなどを参考にされたし。

5star-traveler.com

ちなみに偽物のサイトも多数あり、25USD(税抜き)以上払わなければいけないやつは、全部偽物ですから気をつけてください。ビザ申請は以下のサイトから。

e-Visa

 

話がそれてしまいましたが、その旅行の話を、面白そうな所をかいつまんで書いてみようと思います。

 

 

入国審査場にあった奇妙なひな壇

2019年8月13日、クアラルンプール国際空港から飛び立った飛行機は、夜の9時頃、無事にバラナシ空港に降り立ちました。乗客は、私以外はみんなインド人でした。

飛行機を降りると、私は早足で歩き、一番乗りで入国審査にたどり着きました。カウンターでは禿げ頭のオジさんが、e-VISAはこちらですよーと呼びかけているので、そのカウンターへ行ったのですが、カウンターの前に、修学旅行で団体写真を撮るときに使うような3段のひな壇みたいな物が置いてありました。

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なんだこれ邪魔くさいなーと思いながら、そのひな壇の脇からパスポートやe-VISAのコピーを審査官に渡しました。

しばらくすると審査官が、顔写真をカメラで撮るから、そのひな壇に乗れというのです。

え?と思いましたが、一応言われた通り、一番下の段におそるおそる乗ると、もっと上だというので2段目に、するともっと上というので3段目まで上がりました。

こうなると私の顔は審査官の頭上1mくらいのとこにきて、完全に審査官のハゲ頭を見下ろす事になりました。

なんじゃこりゃあ・・!?と思いながら、カメラを見下ろして顔写真を取られました。

次は指紋をスキャンするというので、腰を思いっきり屈めながらスキャンに指をおきました。

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全部滞りなく済んだようで、審査官は私を思いっきり見上げて、全部オッケーだよと笑顔で言ってくれました。私はやっとひな壇を降りることができ、脇のゲートを通ってアライバルホールに出ました。

いまだにあのひな壇の意味がわかりませんが、こういった日本人にとってシュールなことがインドでは多々あります。

 

 バラナシ空港から市内へ タクシードライバーとの闘い

さてアライバルホールに出たものの時間はもう現地時間で夜中の10時をまわっています。 (インドとマレーシアは2時間半の時差です)

事前に調べたておいた情報によると、夜はシャトルバスもないので、割高だがプリペイドタクシーしかないと聞いていたので、空港内のタクシーカウンターに行ってみますが、街まで850Rp(1,250円)とほんとに高い。市内まで18kmもあるようなので、しょうがないんですが。

他の旅行者とシェアしたいところですが、まわりはインド人ばかりで、シェアできそうな人が見当たらず、しょうがなく一人で乗ることにします。

 

シンガポールであらかじめ両替しておいた2000Rp札で払おうとすると、お釣りがないからタクシーの運転手に直接渡せと言われます。運転手はちゃんとお釣りを持っているのかと聞くと、持ってる持ってる安心しろと言われたので、しょうがなくその言葉を信じて(信じるしか方法がないのです)空港の外に出ました。

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外ではドラゴンボールのダーブラみたいな、小汚い格好のオヤジが待っていて、着いて来いと言われました。

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すごく嫌な予感がしましたが、しかたなくちんたら歩いて着いて行くと、何回も後ろを振り返り、早く来い、早く来いとせかされます。私はこういう気ぜわしい奴が大嫌いです。

そして彼の車まで来ましたが、ボロッボロの普通の軽自動車でした。私のプリペイドタクシーの概念が完全に破壊されました。

 

後部座席に乗ろうとしましたが、前に乗れと言われしぶしぶ助手席に乗ります。エアコンはないのかと聞くと、窓を手動で全開にして、エアコン!と言われました。

 

車は走り出し、空港のゲートを出ようとしたとき、駐車場代かなにかわかりませんが、50Rp(70円)払わなければいけないようで、オヤジはなぜか私に払えと言ってきました。一瞬考えましたが、しょっぱなから50Rpケチって口論するのもイヤだったので、おとなしく払いました。

 

車は高速道路のような道を走り出し、私はシートベルトを締めようと思いましたが、運転手もしてないのでやめました。そして外を走っているバイクなどを見ても、誰もヘルメットを被っていません。そういう所なのかと納得して、前方に目を移そうとしたら、車のサイドミラーがもげて無い事に気づきました。車線変更は目視でするんでしょうか。

 

私は機嫌悪そうに黙って前を向いていると、運転手が口を開きました。

ホテルはどこだ?

知らなかったんかい・・。ベニヤパーク(市街の有名な公園)の近くだというと、ホテルの地図を見せろと言うので、インターネットがないから地図なんて見れないと英語で言いましたが、理解してないらしくマップマップ!言ってくるので、とにかくベニヤパークに行けと言いました。彼はなにやら不満そうにブツブツ言っています。

 

そしてまた、おまえのホテルの前までは行けない、この車は小道には入れないから、というような事を長々と必死に言ってきました。インドの交通事情からして、そういう事もあるなとは思いましたが、めんどくさいからホテルのかなり手前で降ろそうとしている可能性もあると思い、いいから行け!とにかくベニヤパークまでまず行け!と聞き入れないでおきました。迂闊にOKとは言いません。

 

 そしてまたしばらくすると、今度はガソリンを入れるから金を出せと言ってきたので、ノー!ホテルファースト!と怒鳴りました。半分演出、半分本気です。それでもしつこく言ってくるので、私も同じ事を繰り返し、やっとおとなしくなりました。

 

2、30分ほど走り、彼は突然携帯を取り出し、どこかへ電話をかけました。ベニヤパークという単語が聞き取れました。そして数分後、車が停まったので、着いたのか?と思ったら、彼は窓から顔を出し、通り行く人に何か聞いています。聞かれた人はなにか言いながらある方向を指差しました。どうやら彼はベニヤパークの場所すらわからないようです。

 

そして10分後、突然車が停まったかと思うと、ここがベニヤパークだ!お金を払え!と言われたが、とりあえず無視してあたりを見回しますが、公園のような物は見えません。その間も、となりでマネー!マネー!とわめいています。私はこういう気ぜわしいしみったれが大っっ嫌いです。

一度誰かに確認しなければと思い、わめく彼を無視して車の外に出ると、私の荷物はまだ後部座席にあるというのに、ヘイ!マネー!マネェーーー!!!と叫んで、ダーブラも車を飛び出し追っかけてきます。

私はさらに無視して、道に座り込んでいる若者に、ヒアー、ベニヤパーク?と聞くと、ダーブラが横からヒンディー語で彼に何かまくしたてるので、私はさらに隣りの彼にも同じ質問をしたところ、どうやら本当にそうらしく、ホテルまでも歩ける距離だとわかりました。

ダーブラは鬼の形相で、今にも私に掴みかかってきそうにして、マネェェエエエエ!!!と叫びました。本当にうざい男です。

 

私はなだめるように、ちゃんと自分で確認したかったんだよと説明しました。

車から荷物を取り出し、少し落ち着きを取り戻し肩で息をしているダーブラに、850Rpちょうど渡しました。(ほんとは細かいお金をちゃんと持っていました)

金を受け取ったダーブラはやっと笑顔になりましたが、案の定すぐにチップチップと言ってきたので、無視して彼の叫びを背中で聞きながら、私はホテルへ向かって歩き出しました。

 

その2へ続く

yangpingsan.hatenablog.com

 

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